ブルーに輝く美しい宝石「サファイア」は、9月の誕生石としても知られている人気のカラーストーンです。
そんなサファイアのジュエリーを売却する際、買取金額はどのように決まるのか、実際の相場や査定方法が気になる方も多いでしょう。
この記事では、サファイアを売却する際に知っておきたいポイントを詳しく解説していきます。ぜひ、最後まで目を通してみて下さい。
サファイアってどんな宝石?
サファイアとは、9月の誕生石として知られるカラーストーン(色石)の1つです。
エメラルド・ルビーと合わせてジュエリー向けの三大カラーストーンとしても知られています。
その名の由来は、ラテン語で“青”を意味する『サフィルス』から名付けられました。
優れた耐久性を持つサファイアはダイヤモンドの次いで2番目に硬度が高いことでも知られており、様々なジュエリーに加工され、楽しまれています。
サファイアは「コランダム」と呼ばれる鉱物で、三大カラーストーンの1つであるルビーも同じコランダムです。コランダムのなかでも赤いものはルビー、その他のカラーはサファイアです。
コランダムにはアステリズム効果(スター効果)と呼ばれる、複数の線条(白い光の帯のようなもの)が出現する光学現象が見られるケースもあり、スターサファイアとして人気です。
サファイアの産地ごとによる種類
サファイアの最も古い採掘地とされているのはスリランカです。
その他にも、今ではオーストラリアやタイ・カンボジア・ベトナムなど様々な国が代表的な産地となっています。
また、サファイアは産地によって僅かに見た目が異なります。
ここでは、主な産地と特徴を見ていきましょう。
スリランカ産サファイア
前述したように、サファイアの最も古い採掘地として知られているスリランカ産サファイアは、 ロイヤルブルーやコーンフラワーブルーと呼ばれる非常に濃く美しい青色を見ることができます。
透明度が高く、僅かに紫がかった美しさも特徴であると言えるでしょう。
良質なサファイア産地としても有名で、非常に人気が高く評判の良い種類となっています。
1981年にイギリスの王族であるチャールズ皇太子がダイアナ妃に贈る婚約指輪として、スリランカ産サファイアを使用した18ctのリングを選択したことから、爆発的に人気が急上昇したという出来事も有名です。
オーストラリア産サファイア
「オーストラリアは世界最大のサファイア産出国」だと噂されることも多々あるオーストラリア産サファイアは、独特な魅力が特徴です。
オーストラリア産サファイアの主な採掘地は、クイーンズランド中央部に位置するアナキー地区・クイーンズランド北部に位置するラバプレイン・ニューサウスウェールズ北東部インベレル周辺のニューイングランド地区の3か所となっています。
前述したロイヤルブルーやコーンフラワーブルーのサファイアと比較すると品質は劣りますが、生産量が多く人気は高い現状です。
オーストラリア産サファイアは、インクブルーと呼ばれる濃く黒味がかったものが多い傾向にあります。
モゴック産サファイア(ミャンマー)
比較的大粒で濃いロイヤルブルーのサファイアが採掘されることで人気のモゴック産サファイアは、モザイク模様と色味のバランスが特徴です。
一般的にサファイアは採掘後、カッティングだけでなく透明度や色味を出すための加熱処理が行われます。
しかし、モゴック産サファイアは加熱処理が不要である点も大きな特徴です。
その他の産地
その他の産地として知られているのはインドイのカシミール産や、マダガスカル産・カンボジアのパイリン産・中国のシャンドン産などがあります。
インドのカシミール産サファイアは、前述したミャンマーのモゴック産サファイアと同じく加熱処理がなされないサファイアです。
柔らかく非常に優しい青色を演出するカシミール産サファイアですが、産出量は非常に少ない現状にあります。
マダガスカル産サファイアは、ベルベットブルーと呼ばれロイヤルブルーに近い色味として評価されています。まだ、市場での知名度は低いですが一部のジュエラーからは高く評価されている産地です。
カンボジアのパイリン産サファイアは、ミャンマーに近いことからモゴック産と同じようなロイヤルブルーを示すサファイアから、パイリン産特有の深みを持ちながらも鮮やかなソフトブルーのサファイアなどが採掘されます。
中国のシャンドン産サファイアは、深い青色が特徴です。非常に深い青色であることから、黒みがかっているようにも感じるシャンドン産サファイアは、透明度の高さも特徴として知られています。
サファイアのカラーバリエーション
一般的に“サファイア”と記されているものは青色のブルーサファイアを指しますが、ファンシーカラーサファイアと呼ばれる他の色味のサファイアも存在します。
サファイアのカラーバリエーションを詳しく見ていきましょう。
ブルーサファイア
一般的に「サファイア」と聞いて思い浮かべるのはブルーサファイアです。
ブルーサファイアは、前述したように産地によって色味が変化するため、ブルーサファイアのなかでも青色の変化を楽しむことが可能です。
パパラチア(パパラチャ)サファイア
人気の高いパパラチアサファイアは、ピンクとオレンジの間程度の色味をしているサファイアを指します。「パパラチア」とはスリランカの言葉で“蓮の花”を意味し、パパラチアサファイアは産出量が極めて少ないという特徴があります。
「キング・オブ・サファイア」と称されるほど、ファンシーサファイアのうち最高級に位置するカラーです。
ピンク/パープルサファイア
パステルピンクから、深みを持ちつつ鮮やかなピンク・パープルサファイアは、比較的入手しやすい低価格なファンシーサファイアです。可愛らしさから人気の高い色味となっています。
イエロー/オレンジサファイア
夕日のようなサンセットサファイアと呼ばれるオレンジ色のものから、レモンイエローやゴールデンイエローなどの黄色のサファイアもあります。
オレンジ色のサファイアは色が濃い方が高価で流通しています。
ミッドナイトブルーサファイア
ミッドナイトブルーサファイアはその名の通り深い夜を象徴したような色味と美しい輝きが人気のサファイアです。ブルーサファイアに分類されることが多いですが、鮮やかな紺碧色が非常に人気となっています。
グリーンサファイア
エメラルドのような鮮やかなグリーンとは異なり、少しくすみがかった緑色をしたファンシーサファイアです。安価で手に入れやすいサファイアとなっています。
サファイアの買取金額はどう決まる?
サファイアの買取金額は、主に3つのポイントから決定されます。
- 総合的な品質
- 加熱処理の有無
- 産地
各項目を詳しく見ていきましょう。
1.総合的な品質
サファイア自体の石としての品質評価は、カラー・クラリティ・カラットの3つの視点から行われます。
カラー(色)
カラーはサファイアの品質を決める最も重要な項目です。
一般的に、鮮やかに発色している均一色であると評価が高くなります。
サファイアのなかでも最も多いブルーサファイアは青色の深みが重要ですが、深みが強すぎて黒く感じるような物は価値が下がってしまうといった特徴もあります。
最も高値で売却できるブルーサファイアは、コーンフラワーブルーを示すものです。
また、前述したようにパパラチアサファイアは、非常に高額で売却することが可能となります。
クラリティ(透明度)
クラリティにおいては透明度が高ければ高いほど高評価となります。
インクルージョンといった石の内包物が少なければ透明度が高くなり、クラリティの評価が上がることを理解しておくと良いでしょう。
また、キズなども透明度を下げる原因となりますので、注意が必要です。
例外として、スターサファイアはインクルージョンがあることで価値が高くなります。
カラット(重さ)
カラットとは宝石の重さを表す単位で、同程度の質をもつサファイアの場合はカラットが大きいほど価値は高くなります。
2.加熱処理の有無
前述したように、サファイアは一般的に加熱処理が行われますが、加熱処理が不要なサファイアも存在します。
加熱処理を行わずとも、カラー・クラリティの評価が高いサファイアは高値で売却できる傾向にあります 。
基本的な加熱処理が査定に影響することはありませんが、拡散加熱処理という方法で下降されているサファイアは人工的に色味を変えてしまう方法であることから、価値が著しく低くなるため注意が必要です。
3.産地
先ほど解説したサファイアの産地によっても評価が異なります。
前述したように、産地によって採掘できるサファイアの色合いが異なることが大きな原因です。
特に、カシミール産サファイアは産出量が少なく希少性が高まっていることから、査定時の評価が高くなる傾向にあります。
サファイアジュエリーをできるだけ高く売るために
サファイアのジュエリーを高く売却するためには、前項で解説したサファイア自体の評価が重要です。
また、ジュエリーの状態(キズの有無)なども査定金額に大きく影響するため、日頃の手入れはしっかりと行っておくことが金額面に影響することが分かります。
更に、鑑定書や産地証明書などの付属書類の有無も査定金額に影響します。ブランド物の商品である場合はケースが残っていれば査定金額が高くなる場合も多いです。
ジュエリーとして売却する際は、もちろん付属している貴金属や宝石なども査定金額を上下させるポイントです。ダイヤモンドが付属している場合は、ダイヤモンドの査定額も合算されるため、その点を意識しておくと良いでしょう。