数あるカラーダイヤモンドのなかでも、ひときわ神秘的で奥深い輝きを放つパープルダイヤ。日本でも紫は、雅や高貴さを表現するための色として、さまざまな場面で使われてきました。
今回は、そんなパープルダイヤモンドの特徴や現代における価値、売却時に抑えておきたいポイントまでを、専門家が詳しく解説します。ぜひ、最後までお楽しみください。
パープルダイヤモンドの特徴とは
はじめに、パープルダイヤモンドの基本的な概要や特徴をまとめて見ていきましょう。
ほとんどがピンクダイヤ?色合いと希少性
パープルダイヤモンドは、その名の通り紫色の輝きを放つカラーダイヤモンドの一種です。ですが、産出される原石のほとんどがピンクダイヤモンドと判定されてしまうほど繊細で、なかなか真のパープルダイヤモンドと判定されるものが存在しません。
ピンクダイヤモンドを高く売る方法とは?買取価格や価値基準についてもご紹介
そもそも「紫色」の定義は難しく、淡いライラックから鮮やかなバイオレットまでさまざまです。そのため、高品質で価値の高いパープルダイヤモンドには、「色の濃さ」が重視されます。
青みが強い個体は「バイオレットダイヤモンド」
前述したように、パープルダイヤモンドは、色合いによってこまかく分類されます。とくに赤みが強いものは「パープルダイヤモンド」、青みが強いものは「バイオレットダイヤモンド」と大別され、専門家やお店によっては、別のカラーダイヤモンドとしてカテゴリ分けしているところもあるほどです。
淡いピンクがかった優しい色合いのパープルも美しいですが、深い海のような神秘的な輝きを放つバイオレットも、パープルダイヤモンドに匹敵する美しさと希少性を持ち、コレクターの間で高い人気を誇っています。
なぜ見え方が違うのか?紫色になる仕組み
パープルダイヤモンドとバイオレットダイヤモンドは、どちらもダイヤモンドの結晶構造内に水素原子が取り込まれることで、それぞれの色合いに変化すると考えられています。
パープルダイヤモンドは水素原子が結晶構造内に均一に取り込まれ、特定の波長の光を吸収し、赤みがかった紫色の光を反射することで生み出される色合いです。
一方、バイオレットダイヤモンドは、水素原子に加えて、窒素原子やホウ素原子などの不純物も結晶構造内に取り込まれた場合に起こる現象です。不純物と水素原子の相互作用、または結晶構造内の特定の欠陥が、青みがかった紫色の光を吸収し、バイオレットダイヤモンド特有の色合いを生み出すと考えられています。
実際にダイヤモンドが紫色を持っているわけではなく、内部構造の違いで吸収する色と反射する色の差によって、肉眼で見たときに色合いにも違いが表れているという仕組みです。
石言葉は「愛情」や「豊か」「華やか」
パープルダイヤモンドには「愛情」や「豊か」「華やか」といった石言葉が込められています。赤が持つ情熱さと青が持つ冷静さのふたつを併せ持つ色が紫です。深い愛情や誠実な心を象徴する色とされています。
また、パープルは古来より高貴な色と考えられており、豊かさや繁栄を連想させる色でもあります。パープルダイヤモンドを身につけることで、幸運や富を引き寄せると信じられている宝石です。
パープルダイヤモンドの産地は?
色合いの判別の難しさなどから、世界中で産出されるパープルダイヤモンドは極わずかしかありません。おもな産出国は南アフリカの一部の鉱山とロシアです。希少性が高いため、多少の内包物や不純物を含んでいたとしても、非常に高い値段で取引されています。
パープルダイヤモンドの価値を決める要素と価格相場
ここからは、より具体的なパープルダイヤモンドの価値と価格相場を見ていきましょう。売却を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
パープルダイヤモンドの評価方法
パープルダイヤモンドの品質は、通常のダイヤモンドと同様に「4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)」を基本として評価されます。希少性が高いため、同じグレードの無色のダイヤモンドと比べても数倍〜数十倍の価格です。
4Cとは、ダイヤモンドの品質を評価するための4つの基準「カラット/Carat:大きさ(サイズ)」「カラー/Color:色合い」「クラリティ/Clarity:輝きや透明度」「カット/Cut:カットのクオリティ」の頭文字をとったものです。
ダイヤモンドの価値や品質を決める「4C」とは?各グレードや鑑定書、原石についても解説
市場の買取価格
パープルダイヤモンドは、その希少性から買取事例や相場といった参考データがほとんどありません。そこで、カラットを基準に市場に出ているパープルダイヤモンドの価格を見てみましょう。
0.2〜0.5カラットでも50〜100万円、0.6カラット以上になると200万円を優に超えてきます。ここに色合いやカットといった4Cグレードの評価も加わると500〜800万円、1カラットを超えると、1000万〜3000万円以上の値段が付いている裸石も見かけます。
希少性が高いというのは大げさではなく、ほんとうに想像以上の価格で取引されているのがパープルダイヤモンドです。色味もピンク系からバイオレット系、ブラウンやオレンジが混じったものなど、同じものはふたつとありません。
7カラット超え?世界のパープルダイヤモンド
とても貴重で高価なパープルダイヤモンドですが、過去に採掘された特別なパープルダイヤモンドを3つ紹介します。
28億のパープルピンクダイヤモンド
「バラの精」と呼ばれる、世界でも類を見ないほど極めて希少価値が高いパープルダイヤモンドがロシア北東部の鉱山で発掘されました。大きさは14.83カラットで、透明度が高く内部に含有物を確認できない「インターナリー・フローレス」というグレードで、約28億円(2020年)で落札されました。
https://www.cnn.co.jp/style/luxury/35162364.html
ロイヤルパープルハート
「ロイヤルパープルハート」は、純粋な紫色を持つパープルダイヤモンドの中で世界最大のサイズと言われており、その大きさは7.34カラットです。ハートシェイプにカットされており、クラリティはI1。こちらもロシアで発掘されたものと考えられていますが、現在の所有者は公表されていません。
https://karatz.jp/colordiamonds/
ザ パープルオーキッド
2014年には、香港のオークションで3.37カラットのパープルダイヤモンドが出品され、1カラットあたり約1億3334万円という価格で落札されました。
売却先は買取専門業者がおすすめ
パープルダイヤモンドに限らず、カラーダイヤモンドは一般的な無色のダイヤモンドに比べ希少性が高いものが多いため、売却はダイヤモンド専門業者をおすすめします。
プロの査定士が在籍
DDJapanは、ダイヤモンド業界で30年以上も取引してきた実績と、ベルギー・アントワープへの留学・駐在経験を持つベテラン査定士が自ら代表を務めるダイヤモンド取引専門業者です。ベルギー宝石学会(HRD)の宝石鑑定士資格も取得しており、専門知識と長年の経験と専門知識で、お客さまの大切なダイヤモンドを一つひとつ丁寧に評価します。
また、ニューヨークをはじめとする世界各地に独自の販売ルートを確保しているため、中間マージンを省き、他社よりも高額な買取価格を実現しているのが、大きな特徴です。
過去の取引実績も積極的に公開しているため、お問い合わせ時にぜひ参考にしてください。
DDJapanのLINE無料査定サービス
DDJapanでは、スマホアプリのLINEを使った無料の査定サービスを提供しています。初めてダイヤモンドの取引をする方や、安心して貴重な品の取引を行いたい方にも、とても好評です。
使い方は非常にシンプルです。LINE公式アカウントをアプリに追加していただき、通常のメッセージのやり取りと同じ使い勝手で、ダイヤモンドや付属品、鑑定書などの書類の写真を送っていただくだけで査定依頼が完了します。
信頼できる鑑定書を付けよう
ダイヤモンド売却の際には、ダイヤモンド鑑定書があると、査定もスムーズになります。ダイヤモンド鑑定書とは、ダイヤモンドの品質を客観的に評価し詳細を記載した証明書です。正式には「ダイヤモンドグレーディングレポート」と呼ばれ、ダイヤモンドの4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)に加え、蛍光性や研磨状態などの情報も記載されています。
おもな鑑定機関には、「GIA(米国宝石学会)」や「AGTジェムラボラトリー」、「中央宝石研究所」などがあります。これらの鑑定機関に所有しているダイヤモンドを提出することで鑑定書が取得可能です。
判断しにくいパープルダイヤモンドの取引
希少なカラーダイヤモンド「パープルダイヤモンド」について解説しました。
パープルダイヤモンドは「判別のしにくさ」がポイントです。ピンク系からバイオレット系まで幅広いため、正式なパープルダイヤモンドとして判別するのが非常に難しく、希少価値を高める要因となっています。
売却を検討している方は、なるべく専門家に依頼するようにしましょう。DDJapanでも、一般的な店頭買取から、宅配買取、出張買取、便利な無料査定サービスまで幅広く対応しています。気になったら、なんでもご相談くださいね。