高価な品物の中でも、とくに扱いに注意したいのがダイヤモンドです。相場によって価格変動があるため、他のブランド品のように気軽に手放せるものではありません。そこで本記事では、ダイヤモンドが高く売れるタイミングの見分け方や、品質を左右する要素、少しでも高く売るためのポイントなどを解説します。
【結論】ダイヤモンドが高く売れる時期は?
ダイヤモンドは、日々の値動きがあるものです。ダイヤモンドの価格が変動するのは、「為替相場」と「需要と供給」の影響を受けるためです。まずはこれらふたつの観点から、ダイヤモンドの価格が決まる仕組みを理解し、高く売れる時期の見極め方を解説します。
円安ドル高のタイミング
私生活ではなかなかイメージしにくいものですが、ダイヤモンドは日本では採掘されない宝石です。すべて海外で採れたものを輸入しているため、他の貿易商品と同じく、為替レートの影響を受けやすい商品であるといえます。そしてダイヤモンドは、国際市場では米ドル建てで取引されています。
ふたつの要素を踏まえて考えると、ダイヤモンドを高く売るタイミングは「円安ドル高のとき」ということになります。反対に円高のときは、他の輸入商品と同じく価格が落ちるということです。海外製のスマホやガソリン、輸入に頼っている食品群など、身近なもので考えると想像しやすいかもしれません。
需要に対して供給が少ない時
ふたつ目は、需要に対して供給が少ないときです。ダイヤモンドはロンドンに本社を置くデアビスグループという会社が採掘して市場に流しています。
ダイヤの原石の販売会を年数回開催しているデイビス社は、世界の小売市場の景気変動をチェックし、景気が悪ければ採掘したダイヤモンドの供給を控えます。あまり市場が動いていない時期にダイヤモンドを流しても、供給過多となり価格が下がってしまうからです。
もし、市場にダイヤモンドが流通していないとき(供給が少ないとき)に需要が高まると、ダイヤモンドの価格もそれに刺激をうけて高騰する傾向にあります。もちろん需要と供給のバランスは日本だけではありません。世界共通で人気のある宝石のため、国際的な景気にも影響をうけます。
以上の観点から、ダイヤモンドが高く売れる時期を見ることができます。円安ドル高のときと需要に対して供給が少ないときは、ダイヤモンドの価格が上がる傾向にあるということを覚えておきましょう。
ダイヤモンドを売るときの価格に影響する4つの要素
つぎに、ダイヤモンドの価格に影響する4つの要素について解説します。市場から受ける影響ではなく、ダイヤモンドそのものの「品質」によるものです。
ダイヤモンドの品質は、1950年代にG.I.A(米国宝石学会)が定めた「4C」と呼ばれる評価基準を用いて鑑定します。国際的に使用されている基準であり、日本も例外ではありません。それぞれの評価基準を順番に見ていきましょう。
カラット
ひとつ目は「カラット」です。宝石全体の重さを測る際の単位として使われ「ct」と表記します。1.0ctは0.200gです。ダイヤモンドは重さの他に大きさで評価するため、「メートルカラット」が用いられています。1.0ctのダイヤモンド1個と0.1ctのダイヤモンド10個では重さは同じですが、1個で1.0ctのダイヤモンドのほうがより希少性が高いため、そのぶん価値も高くなるというわけです。
カラー
ふたつ目のCは、「カラー」です。ダイヤモンドそのものが持つ地色のことを指しています。
色評価はアルファベットのDからZまで23段階あり、評価の高い順に「無色:Colorless(D〜F)」、「ほぼ無色:Near Colorless(G〜J)」、「ごくわずかな色味:Faint(K〜M)」、「かすかな色味:Very Light(N〜S)」、「色味あり:T〜Z」という5つのグレードに分けられています。色味が薄くなるほど価値が高まり、科学的にも評価された純粋で不純物のない無色のカラーレスグレードは最上位のダイヤモンドです。
クラリティ
3つ目は「クラリティ」です。ダイヤモンドの透明度を測る基準で、表面や内部に含まれる天然の内包物や疵(キズ)がどれほど少ないかで評価します。
「内包物(インクルージョン)」はダイヤモンド内部に含まれる鉱物の結晶などです。「疵(ブレミッシュ)」は表面のキズや欠けなどのことを指します。ダイヤモンドを10倍拡大鏡で見た場合の様子に基づいて決定され、「無い外部無欠点:Flawless(FL)」、「内部無欠点:Internally Flawless(IF)」、「ごくごくわずかな内包物:Very Very Slightly Included(VVS1、VVS2)」、「ごくわずかな内容物:Very Slightly Included(VS1、VS2)」、「わずかな内包物:Slightly Included(Sl1、Sl2)」、「欠陥:Included(l1、l2、l3)」と、大きく6段階に分かれています。内包物や瑕が確認できない「FL」が、最も価値が高いグレードです。
カット
4つ目は、「カット」です。ダイヤモンドの輝きや煌めきを決定している評価基準で(加工時の)対称性、プロポーション、研磨によって変化します。
グレードにはExcellent、Very Good、Good、Fair、Poorの5段階あり、Excellentのダイヤモンドは非常に明るくかつ暗い箇所とのコントラストも均一で鮮明な輝きがあります。また、カットは4Cの中で唯一、人の手が必要になる要素です。
ダイヤモンドを少しでも高く売る方法
ダイヤモンドを少しでも高く売るためには、「市場」や「ダイヤモンドそのものの品質」に加え、さらにいくつかの押さえておきたいポイントがあります。
鑑定書や箱・付属品と一緒に売る
ダイヤモンドは、品質を見定めその結果を記載した「DIAMOND GRADING REPORT(ダイヤモンドグレーディングレポート」を付けることができます。通称「宝石鑑定書」と呼ばれるもので、ダイヤモンドの品質や本物であることを示す証明書です。4Cなどを基準に評価し、結果によって等級が付与されるためグレーディングレポートと名付けられています。
ダイヤモンドの鑑定はとても難しく、信頼のある鑑定を依頼できるところは限られています。代表的な鑑定機関には、「中央宝石研究所(CGL)」「米国宝石学会(GIA)」、「AGTジェムラボラトリー」といったものがありますが、宝石鑑別団体協議会(AGL)という鑑定機関が集まって作った団体があるので、まずはAGLを調べ、加盟しているかどうかを確認してみましょう。
また、ダイヤモンドが入っている「箱」や「付属品」の有無も信頼性を高めるポイントです。鑑定書ほど効力はないものの、証明の助けになってくれます。
ダイヤモンドを綺麗に洗浄しておく
汚れていてもダイヤモンドそのものの品質に影響なければ査定結果は変わらない、というわけでもありません。ダイヤモンドは親油性が高い鉱石のため、日常生活を送っているだけでもどんどん汚れていきます。油やホコリで輝きが衰えて見えたり、小さなゴミがキズに見えて査定額が下がってしまうことも十分にありえる話です。ダイヤモンドの査定はほんとうに繊細で、少しの差で大きく査定額が変わってしまうため、買取依頼の前には、必ずお手入れをしましょう。
宝石によってお手入れのやり方は異なりますが、ダイヤモンドは家にあるもので比較的簡単にお手入れ可能です。
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ダイヤモンドが高く売れるタイミングと、高く売る方法について紹介しました。国際的にも認められているダイヤモンドは市場に影響をうけ、値動きがあるものです。とはいえ、実はそこまでタイミングを気にする必要はなく、売りたいと思ったタイミングが売り時という考えも大切といえます。市場の値動きをつねにチェックし、高値を狙うのは難しく、かえって売り時を逃してしまうかもしれないからです。
DDjapanは、30年以上ダイヤモンドに携わってきたベテラン鑑定士が在籍している、ダイヤモンド買取店です。きめ細かく的確な査定を得意とし、基本的にどんなダイヤモンドジュエリーでも買い取ります。店頭から郵送、出張まで対応し、簡単な査定ならLINEからでも可能です。
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