ダイヤモンドのなかには、結婚指輪や婚約指輪、身内から受け継いだ形見の品など、数十年前のものもあります。なにかのきっかけで手放す機会があったとき、古いダイヤモンドは買い取ってもらえるのだろうか?と気になったことはないでしょうか。
そこで本記事では、古いダイヤモンドの定義から、実際に市場で取り扱ってもらえるのか、買取基準や価値などについて解説します。
古いダイヤモンドや中古ダイヤモンドとは
まずは「古いダイヤモンド」や「中古ダイヤモンド」とはどういったものなのか、その特徴や定義などについて見ていきましょう。
ダイヤモンドは劣化しにくい宝石
ダイヤモンドは非常に劣化しにくい鉱石であり、長い期間にわたって美しさを保ち続けるとされています。これは、ダイヤモンドが鉱山から採掘された直後の状態をほぼ永遠に維持できるという特性によるものです。だからこそ古来から「永遠の愛」として、婚約指輪や結婚指輪のジュエリーに愛用されてきた歴史があります。
「バージンダイヤモンド」と「中古(還流)ダイヤモンド」
市場でダイヤモンドが取引されるダイヤモンドは、大きく2種類に分類されます。
ひとつ目は「バージンダイヤモンド」です。バージンダイヤモンドとは、未使用の新しいダイヤモンドのことを指し、発掘された原石からカットや研磨が施され、ジュエリーショップやブランドが購入するという流れで一般の手に渡ります。
ふたつ目は、「中古(還流)ダイヤモンド」です。ダイヤモンド自体は極端に劣化しにくい鉱石のため、実はあまり「中古」といった概念はありません。一般に流通したダイヤモンドを専門業者が買い取り、クリーニングや研磨、カットといった再加工を施したものは「還流ダイヤモンド」と呼ばれます。
しっかりとメンテナンスされたダイヤモンドは、採掘されたばかりのものと同様の基準で値が付けられます。
【結論】古いダイヤモンドも買い取ってもらえる
バージンダイヤモンドと還流ダイヤモンドは、流通プロセスこそ異なるものの、どちらも同様の査定が行われ、しっかりと価値に見合った価格で取引されます。
ダイヤモンドそのものには「古い」「中古」「新品」といった概念はありません。しかしながら、一見同じようなダイヤモンドでも価格が大きく異なる場合もあります。
つぎからは、ダイヤモンドの価格を決める要素について解説します。
高額買い取りしてもらえるダイヤモンドは?
ここからは、ダイヤモンドの価値を決める要素から、高額で買い取りしてもらえるダイヤモンドとそうでないものの基準を整理していきましょう。
ダイヤモンドの価値を決める「4C」
ダイヤモンドの品質を評価する基準に「4C」というものがあります。カラー、カット、クラリティ、カラットの頭文字を取ったものです。
・カラー(Color)
カラーはダイヤモンドの無色度を示す基準です。無色に近いダイヤモンドほど価値が高いとされています。
・カット(Cut)
カットはダイヤモンドの輝きやきらめきの程度を評価したものです。4つの指標の中で唯一、人の手によって変化するもので、熟練した職人たちの高いカット技術が要求されます。
・クラリティ(Clarity)
クラリティはダイヤモンド内部の傷や不純物の程度を示したものです。より内包物が少なくクリアなダイヤモンドほど価値が高いとされています。
カラット(Carat)
カラットはダイヤモンドのサイズを示すものです。サイズは1個体あたりの「大きさ」と「重さ」で決定されるため、ひと粒あたりがより大きく、重いものほど価値が高いとされています。
何十年も前に購入したものやブランド品
ダイヤモンドには「中古」や「新品」といった概念はないと紹介しましたが、歴史的な観点や希少性から価格にプラスの影響を与えることもあります。
また、似たような価値基準で見た場合、「ブランド」も価格に反映される要素といえます。世界的に有名なジュエリーブランドアイテムなどは、中古市場でも高値で取引されるのをよく見かけます。
イニシャルや刻印入り
ジュエリーには、イニシャルや刻印が刻まれることもあります。一見すると、個人の名前などが刻まれたジュエリーは取り扱って貰えないような気がしますが、業者によってはしっかりと宝石そのものの価値を査定してもらえるお店もあります。
とくにダイヤモンドは個体そのものの品質から査定が行われるため、あきらめずに一度相談してみるのがおすすめです。
鑑定書や箱・付属品の有無
ダイヤモンドは、その価値を第三者機関から認めてもらった「鑑定書」を発行できます。売却するときに鑑定書があれば、信頼性が高まり、査定額にもしっかりと影響するでしょう。
また箱や付属品が揃っている場合も、商品状態の良さやブランド品としての証明になるため、買取価格に良い影響を与えることがあります。
小さすぎるダイヤモンド
一般的な買取業者では「0.2カラット」以下のダイヤモンドは小さすぎるため、対象外とされるケースもあります。例外もあるため、あきらめずに問い合わせてみましょう。
片方無くしたイヤリングや台座のない指輪など
片方しかないピアスやイヤリング、台座がない指輪(宝石のみ)でも、ダイヤモンドそのものの価値は変わらないため、しっかりと査定してもらえます。
完品状態に比べると買取額は落ちてしまうかもしれませんが、じゅうぶん高額に買い取ってもらえるケースも多いです。
また、ダイヤモンドそのものが欠損(欠けや傷など)している場合でも、査定対象として認められます。買い取ったあとにカットや研磨といった再加工が必要な分、査定額が落ちてしまう可能性は留意しておきましょう。
古いダイヤモンドの売却先候補
古いダイヤモンドを手放す際には、安心して取引できる業者選びが重要です。本記事では、つぎの2つの候補を紹介します。
・ダイヤモンド買取専門業者
・質屋
順番に見ていきましょう。
ダイヤモンド買取専門業者
専門的な知識と経験を持ったプロがダイヤモンドを査定・買取してくれるのが、「ダイヤモンド買取専門業者」です。直接依頼する方法と、仲介業者を通じて依頼する方法があります。
・直接依頼する場合
直接依頼は、買取専門業者に自分でダイヤモンドを持ち込み、査定を受ける方法です。査定が直接行われるため、スピード感とシンプルな取引が可能なことに加え、安心感も大きなメリットといえます。
直接訪問するのが難しい場合は、オンライン査定や無料相談といったサービスも充実しているため、困ったときはなんでも相談してみるのがおすすめです。
・仲介業者を通じて依頼する場合
買取専門業者と顧客の間に立って、円滑な取引をサポートしてくれる仲介業者を利用する方法です。本人に代わって、専門的な知識や経験を持つ担当者が、買取専門業者との交渉や手続きを代行してくれます。
取引に慣れていない人や忙しい人にとっては便利ですが、そのぶん手数料がかかることや、売却完了まで時間がかかることなどがデメリットです。
質屋
おもに貴金属や宝石、高級ブランド品の買取・質入れを行っており、ダイヤモンドもその対象となります。質屋は、個人が所有する品物を担保に融資や買取を行うのがメインのため、目利き力や知識、情報力も侮れません。
質入れというかたちで取引できるため、即金性に優れていることがメリットです。反面、査定額は低くなりがちなのがデメリットでしょう。
古いダイヤモンドを高く売るコツ
ここからは、古いダイヤモンドを少しでも高く売る方法を見ていきましょう。買取業者に査定を依頼するまえに、個人でできることもあります。
信頼できるダイヤモンド買取専門業者を利用する
ダイヤモンドを高く売るためには、信頼できる買取専門業者を見つけることがとても重要です。専門の鑑定士が正確な査定を行ってくれたり、対面での取引や事前の無料査定に対応してくれたりなど、配慮の効いたサービスが充実しているお店もあります。
鑑定書を付ける
ダイヤモンドには、第三者が認定した「鑑定書」を付けることができます。鑑定書とはダイヤモンドの品質(4C)や特徴を示すものであり、ダイヤそのものの信頼性をアップしてくれるものです。
箱や付属品が揃っていると商品の状態が良いと見なされたり、本物であることの証明にもなるため、こちらもチェックしておきましょう。
事前に手入れをしておく
ダイヤモンドを持ち込む前には、軽い手入れを実施するのがおすすめです。自宅でも、やわらかい歯ブラシや中性洗剤を使って汚れを落とせば、そのぶんだけ輝きを取り戻すことができます。
綺麗な状態で持ち込むことで印象も良くなり、査定額アップが期待できます。
古いダイヤモンドは買取対象になることが多い
古いダイヤモンドも、適切な方法で売却すれば、高価で買い取ってもらえることがあります。そのためには、ダイヤモンドの価値を理解し、信頼性の高い買取業者を選ぶことや、古いジュエリーなどであっても、あきらめずに相談してみることが大切です。
また、鑑定書や事前のメンテナンスなど、自分で買取額をアップできる工夫もあります。本記事を参考に、少しでも納得のいく取引を目指しましょう。