ダイヤモンドが持つ美しさは、昔から装飾品として人気です。ですが、その希少性や物質的な特徴から資産としても注目されています。大切な日に贈るプレゼントとして見る人と、価値を保存しておける資産として見る人とでは、ダイヤモンドに対する評価も異なるでしょう。
そこで本記事では、ダイヤモンドの「資産価値」について、さまざまな観点から紹介していきます。手持ちのダイヤモンドに対する見方も変わるかもしれません。ぜひ最後まで読んでみてください。
ダイヤモンドの資産価値とは
ダイヤモンドは、古くから富と権力の象徴として珍重されてきました。近年では、投資対象としても注目を集めています。まずは、現代のダイヤモンドが持つ、基本的な価値について見ていきましょう。
天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンド
近年、材料科学の発展により、高品質な合成ダイヤモンドが次々と誕生しています。従来の天然ダイヤモンドと見分けがつかないレベルのものもあり、比較的手頃な価格で入手可能です。
その反面、ダイヤモンド全体の供給量の増加や安定化に伴って、改めて価値が見直されているのが天然ダイヤモンドです。結婚・婚約指輪やジュエリーといった装飾品需要では、特別で希少価値の高い天然ダイヤモンドを望む人も多く存在します。天然ダイヤモンドが長い歴史のなかで培ってきた伝統やストーリー性などが、人工のダイヤモンドにはない付加価値を生んでいるのでしょう。
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資産価値はグレードによって決まる
ダイヤモンドは、金やプラチナと同様にインフレに強い現物資産です。経年変化も起きにくく耐久性に優れており、100年後も美しい状態を保ちます。また、金やプラチナといった鉱物よりも持ち運びが便利な点に置いても優れているといえるでしょう。
そんなダイヤモンドの価値は、専門機関による鑑定によって決まります。ダイヤモンドの4C(カット、カラー、クラリティ、カラット)をはじめとするさまざまな項目を厳正に検査し、鑑定結果を証明する鑑定書を発行する権限を持つ機関です。
世界には多くのダイヤモンド鑑定機関がありますが、なかでも代表的なものが次の2つです。
GIA(米国宝石学会):世界で最も権威のある鑑定機関として知られており、4Cの基準を定めたことでも有名です。
IGI(国際宝石学会):世界中に支社を持つ国際的な鑑定機関で、幅広いサービスと迅速な鑑定を提供しています。
日本の鑑定機関では、次の2つが挙げられます。
中央宝石研究所(CGL):国内最大手の鑑定機関で、高品質な鑑定と幅広いサービスを提供しています。
AGTジェムラボラトリー:国内有数の鑑定機関で、独自の鑑定基準と高度な技術力に定評があります。
鑑定によって決まるのがグレードです。ダイヤモンドを安心して取引するために欠かせないツールであり、購入する際はもちろん、売却するときにも大きく影響します。
グレードには、4Cと呼ばれる基準が用いられます。4Cとは、カット(Cut)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、カラット(Carat)の頭文字を取ったものです。
カット:ダイヤモンドの輝きを決める重要な要素です。カットが優れているほど、光を反射し、美しく輝きます。
カラー:無色に近いほど高価で、Dカラーが最高評価です。
クラリティ:内包物やキズが少ないほど高価です。
カラット:ダイヤモンドの大きさを表す単位です。カラットが大きいほど高価になります。
ダイヤモンドの紹介番組などでよく耳にする「カラット」とは、石のサイズを表す単位だったというわけです。他にも透明度や内包物、磨きなどさまざまな観点から評価したのが4Cとなっています。
価値はルース(裸石)に対する評価
原石からカットや研磨された状態がルース(裸石)です。ここからリングやネックレスといった装飾品に加工されます。
地球深部で高温高圧によって生成されたダイヤモンドは、地球上で最も硬い鉱石であり、摩耗や衝撃に強いため、一度ルースに加工された状態であれば、ほとんど摩耗することはありません。証券や現金はもちろん、金やプラチナと比較しても、一線を画す強みです。
物理的な変化がほとんどないため、何百年経ってもその輝きを保ち続けることが可能です。この永続性こそが、ダイヤモンドが持つ大きな魅力であり、資産価値を担保する特徴でしょう。
ダイヤモンド産出国による品質の違い
ダイヤモンドは世界中で採掘されていますが、産出国によって品質に違いがあります。ここでは、代表的なダイヤモンド産出国であるロシア、ボツワナ、コンゴ、カナダ、オーストラリアについて、それぞれの品質の特徴と傾向を解説します。
ロシア
世界最大のダイヤモンド産出国のひとつです。特にシベリア地方では高品質なダイヤモンドが産出されます。大粒で透明度の高いダイヤモンドが多く、近年では、ピンクダイヤモンドやブルーダイヤモンドといった、希少性の高いカラーダイヤモンドも産出されています。
ボツワナ(アフリカ)
ボツワナは、近年世界第1位のダイヤモンド産出量を誇るアフリカ南部の国です。ジュワネング鉱山が発見されて以来、ダイヤモンド生産国として急速に成長し、世界中の宝石市場に多大な影響を与えてきました。カラット数の大きいダイヤモンドも多く産出されており、透明度も申し分ありません。
コンゴ
コンゴ民主共和国は、アフリカ大陸中部にある国で、豊かな地下資源を誇ります。ロシア、ボツワナにコンゴを加えた3カ国を「ダイヤモンドの三大産地」と評する人も少なくありません。「ソーヤブル」と呼ばれる非常に高品質で希少価値の高い原石が採掘されることでも有名です。
カナダ
近年、ダイヤモンドの新たな産地として注目を集めているのがカナダです。北極圏に位置するカナダは、厳しい自然環境の中で育まれた希少性の高いダイヤモンドを産出しています。カナダ産ダイヤモンドは、透明度が高く、内包物が少ないダイヤモンドが特徴です。DカラーやEカラーと呼ばれる無色に近いダイヤモンドが多く、装飾用としても高く評価されています。
オーストラリア
オーストラリアも世界有数のダイヤモンド産出国です。最大の特徴は、希少性の高いピンクダイヤモンドが産出されることでしょう。中でも、アーガイル鉱山で産出される「アーガイルピンクダイヤモンド」は、世界中の愛好家たちを魅了してきました。2020年にアーガイル鉱山が閉山したことで、オーストラリア産ピンクダイヤモンドの希少性はさらに高まっています。
ピンクダイヤモンドを高く売る方法とは?買取価格や価値基準についてもご紹介
ダイヤモンドの品質は、産出国だけでなく、鉱脈の形成過程や地質条件、カット技術など様々な要素によって決まります。国際的な鑑定基準が普及したことで、産出国による品質の明確な優劣をつけることは難しくなったため、個々のダイヤモンドを丁寧に評価することが重要です。
ダイヤモンドは資産価値がある
ダイヤモンドは現物資産として、資産価値のあるものと言えます。その鉱物的特徴から、価値の保存や交換手段として非常に優れています。ただし、金や証券とは異なり、国家によって価値が保証されているわけではない点については、十分に理解しておきましょう。
ダイヤモンドを資産として購入する際には、専門的な知識を持つ宝石鑑定士に相談することが重要です。
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