デビアス社はダイヤモンド業界の重鎮
「デビアス」という単語、「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチコピーとともに、耳にしたことがある方も多いと思います。でも、ブランド名なのか、ダイヤの種類なのか、一体何なのか、分からないですよね。「デビアス」とは、実は企業名なのです。1888年に南アフリカ共和国で設立されたこの会社。単刀直入に言うと、ダイヤの価格をコントロールしている会社です。ダイヤモンドの評価基準である4C=カラット(重さ)・カラー(色)・カット(プロポーション)・クラリティ(透明度)を考案した会社でもあります。
ダイヤ価格をどうコントロールしているか?
デビアスは子会社を作ることで、自社の管理下にダイヤの流通・販売ネットワークを置きました。このネットワークを「サイト」と呼びます。このサイトに参加するには、デビアスの厳しい審査を通過し、サイトホルダーになる必要があります。ちなみに、日本における唯一のサイトホルダーは、真珠で有名なTASAKIのみ。世界にも82社しかありません。サイトホルダーには、1年に10回開かれる原石の販売会への参加資格が与えられます。つまり、高品質なダイヤの原石を安定的に買い付けできるのです。
ダイヤモンドの価格を決めるのはデビアス社
ただし、この買い付け、ダイヤの価格を決めるのはデビアスです。市場での競りのように、買い手が金額を申告することはできません。また、価格のみならず、各サイトホルダーの購入量もデビアスが決定します。デビアスが提示した量の一部を買うということもできません。全て買うか、全て買わないかのどちらかですが、買わなければサイトホルダーの資格が没収されることもあるようで、有無を言わせないデビアス、強し!といったところでしょうか。デビアスにのみ有利なシステムに思えますが、このシステムのおかげで、ダイヤの価値が維持され、いつの時代も女性の憧れであり続けているのです。
ダイヤ業界の最高峰・デビアス社に異変
ダイヤの価値を下げまいと、高級路線をひた走ってきたデビアスですが、2018年5月、ダイヤ業界に激震が走ります。それは、デビアスが合成ダイヤを専門とするブランド「LightBox」の立ち上げを発表したからです。それまでは高額な天然ダイヤを専門としてきており、むしろ合成ダイヤに対しては否定的な見解を貫いていました。
しかし、天然ダイヤには手が届かないが比較的裕福な層にもターゲットを拡大するため、合成ダイヤに着手したのです。価格は天然ダイヤの10分の1程度と、お手頃。しかも、見た目は天然ダイヤと遜色ないようです。そうなると予想されるのが、買い取り業者の値踏み。「このダイヤが本物か、偽物か」を見分けるのが難しくなるため、従来よりも安めの値段をつける可能性があります。また、客側も「見た目に遜色ないのであれば、合成ダイヤでいいか」という気持ちになります。結果的に、天然ダイヤの需要が小さくなり、価格が下がっていくことも十分考えられます。つまり、まさに“今”が一番、天然ダイヤの価値が高いときといえるかもしれません。
まとめ
デビアス社の動きはダイヤ業界においてとても重要であることが、お分かりいただけたでしょうか?ダイヤの価格が今後どうなっていくのか。可能性として、これから下がることも考えられるのは事実です。“今”が一番の売り時なのかもしれません。今の価値・相場を知るためにも、今こそ、お手持ちのダイヤを査定に出してみませんか?
参考サイト
https://recarat.me/online/diamondoisforever/
https://www.debeers.co.jp/the-de-beers-difference/story/