「第三のダイヤモンド」と呼ばれるストーン、その正体は「モアサナイト(Moissanite)」という炭化ケイ素を主成分とする鉱物です。ダイヤモンドにそっくりな見た目から「天然・合成ダイヤに次ぐ第三のダイヤ」としてマーケティングされています。
しかし、モアサナイトはダイヤとは全く別の鉱物で、買取価値もダイヤと比べると限定的です。この記事では、ダイヤ・宝石鑑定業界30年のDDJapanが、第三のダイヤモンドの買取相場・ダイヤとの違い・見分け方・高く売るコツまで、現場視点で誠実にお伝えします。
「第三のダイヤモンド」とは|モアサナイトの正体
名前の由来
「第三のダイヤモンド」という名称は、天然ダイヤモンド・合成(ラボグロウン)ダイヤに次ぐ「第三の選択肢」としてモアサナイトを販売する際に使われるマーケティング用語です。鉱物学上の定義ではなく、販売上のよび名と考えるのが適切です。
モアサナイトとは
モアサナイトは、化学式SiC(炭化ケイ素)を主成分とする鉱物です。1893年にフランスの化学者アンリ・モワサンが隕石クレーターから発見したことから、その名がつけられました。
天然モアサナイトは極めて希少で、現在市場に出回るモアサナイトのほぼ全ては人工的に合成されたものです。
物性|ダイヤとそっくりな見た目の理由
- モース硬度:9.25(ダイヤは10)
- 屈折率:2.65(ダイヤは2.42)→ ダイヤより輝きが強い
- 分散値:0.104(ダイヤは0.044)→ ダイヤの約2倍の虹色の輝き(ファイア)
適切にカットされたモアサナイトは、見た目上はダイヤよりも「キラキラ」輝きます。そのためプロでも一見してはダイヤと見間違うことがあるほどです。
モアサナイトの買取相場
サイズ別の価格目安
モアサナイトは同サイズの天然ダイヤの約1/10で購入できるため、買取価格もそれに準じて低めとなります。
- 0.5ctクラス:数千円程度
- 1ctクラス:5,000円〜1万円程度
- 2ctクラス:1万円〜3万円程度
- 3ct以上:数万円程度
※価格はカット・クラリティ・ジュエリー枠・ブランドにより変動します。
実際、多くの一般買取業者ではモアサナイトを「買取不可」としています。中古需要が限定的で、値付けして販売するルートの確保が逆に難しいためです。
K18枠ジュエリーは地金価値が加わる
モアサナイトを使ったジュエリーは、枠のK18・Pt900の地金価値がメインになります。金相場が高い時期には、枠の重量があるジュエリーであれば、ある程度の買取価格が期待できます。
モアサナイトとダイヤの見分け方
【重要】ダイヤモンドテスターでは区別できない
一般の買取店で使われる「ダイヤモンドテスター(熱伝導率測定器)」では、モアサナイトとダイヤは区別できません。モアサナイトはダイヤと同じく高い熱伝導率を持つため、テスターは「ダイヤ」と反応してしまうのです。
「モアサナイトテスター」での判別が必要
モアサナイトとダイヤの区別には「モアサナイトテスター(電気伝導率を測るテスター)」が必要です。モアサナイトは二重屈折を起こすため、ルーペで覗くとパビリオン側のファセットの稜線が二重に見えるという特徴があります。
鑑別書での確認
CGL(中央宝石研究所)やGIAなどの鑑別書では、モアサナイトは「合成モアサナイト」「炭化ケイ素」と明記されます。ダイヤとは別カテゴリとして記載されるため、鑑別書を見れば一目瞭然です。
ダイヤとの見分けポイント
- クラウン側から斜めに覗くとファセットのエッジが二重に見える(二重屈折)
- 灰色や黄色みがかったトーンを帯びていることがある
- チラチラとした虹色の輝き(ファイア)がダイヤより強い
「ダイヤだと思っていたらモアサナイトだった」ケースへの注意
多いのは「古いジュエリー」と「海外購入品」
「祖母からもらったダイヤのリングを査定に出したらモアサナイトだった」「ハワイやシンガポールで購入したダイヤのピアスがモアサナイトだった」というケースは現場でしばしば見受けられます。
店頭検査をすり抜ける可能性
一般の買取業者では「ダイヤモンドテスター」だけで検査するケースが多く、モアサナイトを誤って「天然ダイヤ」として高額査定されるリスクがある一方、逆に「ダイヤと認められず買取拒否」のケースもあります。
専門業者での判別が必須
DDJapanのようなダイヤ・宝石専門業者は、モアサナイトテスターや二重屈折のルーペ検査を同時に行い、正確に判別します。「ダイヤだと思っていたもの」が本当にダイヤなのかも、確実に確かめられます。
モアサナイトを高く売るコツ
鑑別書を揃える
CGLやGIAなどの鑑別書で「合成モアサナイト」と明記されていれば、ダイヤとの誤認トラブルも避けられ、適正価格で買取されやすいです。
K18枠ごと査定に出す
ルースよりもジュエリーの状態だと枠の地金評価が乗るため、セットで査定に出すと高額になりやすいです。購入代金より低くなるケースが多いので意識しましょう。
付属品を揃える
ケース・保証書・ショップカードなどの付属品があると購入証明になり、認証性が上がって査定額アップにつながります。「Charles & Colvard」など著名ブランド品は一般品より評価が上がるケースもあります。
専門業者を選ぶ
一般の買取業者だと「モアサナイトは買取不可」と言われるケースがほとんどです。売却を考える場合は、モアサナイトを取り扱っているかを事前に確認しましょう。
第三のダイヤモンド買取に関するよくある質問
Q. モアサナイトは「本物のダイヤ」ですか?
A. いいえ、モアサナイトとダイヤは全く別の鉱物です。ダイヤは炭素(C)で、モアサナイトは炭化ケイ素(SiC)です。見た目は似ていても、化学的にはラボグロウン(合成ダイヤ)とは全く別です。
Q. モアサナイトは買取してもらえますか?
A. 中古需要が限られるため、「買取不可」とする買取業者が多いのが実情です。枠がK18・Pt900のジュエリーであれば、地金として評価されるケースがあります。
Q. ダイヤだと思って購入したものがモアサナイトだったケースは?
A. まずは鑑別機関で正確な鑑別を受けた上で、購入店に説明を求め、返金・損害賠償を交渉するのが原則です。
Q. モアサナイトはキュービックジルコニアと同じですか?
A. いいえ、全く別の鉱物です。キュービックジルコニアは酸化ジルコニウム、モアサナイトは炭化ケイ素です。モアサナイトの方が硬さ・輝き・レインボーともにCZを上回り、価格も高めになります。
まとめ:モアサナイトはダイヤとは別の石として考える
「第三のダイヤモンド」ことモアサナイトは、ダイヤと見た目はそっくりでも化学的には全く別の鉱物で、買取価値もダイヤと比べると限定的です。一般の買取業者では「買取不可」とされることが多いのが実情です。
DDJapanでは、業界30年のベテラン鑑定士が二重屈折チェック・モアサナイトテスターを用いて、ダイヤかモアサナイトかを正確に見分けます。「ダイヤだと思っているけれど本物か不安」という方は、写真を送るだけのLINE査定でお気軽にご相談ください。

