宝石の王様ダイヤモンド、さらに希少性と美しさを兼ね備えたピンクダイヤモンドは世界中のセレブの憧れです。そんなピンクダイヤはどうすればもっと高額に売ることができるのでしょうか。
ピンクダイヤモンドの基礎知識
そもそもピンクダイヤモンドとはどんな宝石なのでしょうか。ピンクダイヤモンドとはその名の通りピンク色のダイヤモンド。桜のように淡い色からパープル味のある妖艶なピンクまで様々な色合いがあります。柔らかなピンクの中にダイヤモンド特有の強い輝きが混じり合う様は思わずため息が出てしまうほど幻想的です。
産出国はオーストラリア、アーガイル鉱山が有名です。ここではパープルピンクの小粒なピンクダイヤモンドがよく取れます。歴史的に有名なのは17世紀ごろに採掘していた南インド、ブラジルの川でも見つかることがありました。しかし今は閉山するところも多くピンクダイヤモンドの採れる鉱山はほんの数カ所しかありません。
ピンクダイヤモンドとその他宝石との大きな違い
まず最初に言えることは希少性の高さです。カラーダイヤモンドの中で多いのはイエロー、ブラウン、ブラックですがピンクダイヤモンドはダイヤモンドの総産出量の1%にもなりません。さらに、その中から宝石として扱える品質のものは10%にも満たないと言われています。
これほど希少なピンクダイヤモンドは還流商品としての資産性が非常に高いのも特徴です。つまり買取に出した時に高額買取してもらいやすいということ。ものによっては買った時よりも高くで買い取ってもらえることもあります。ダイヤモンドは金と同じように投資目的で持っている人も多いですが、ピンクダイヤモンドも同じように資産として持つに相応しい宝石の一つです。
ピンクダイヤモンドの買取金額の決定方法(価値基準)
ピンクダイヤモンドの買取で一番重要視されるのは色合いです。鮮やかで美しいピンクダイヤモンドであればあるほど希少性が上がり高額になります。ですが実際に持っているダイヤモンドがどれぐらいのランクかどうかはプロの鑑定士でないとわかりません。そんな時は鑑定書を確認してみると良いでしょう。
鑑定書はダイヤモンドが天然の証明とグレードについて書かれている証明書です。高品質なダイヤモンドを購入した際、一緒に付いていることが多いので見たことがある方も多いと思います。買取査定を行うときも鑑定書があるかどうかでスムーズに査定できるか変わります。実際に買取する時は、まずピンクダイヤモンドを目視で状確認し、鑑定書に書かれている内容と照らし合わせて買取金額が決定します。まずは鑑定書に書かれている内容を確認してみましょう。
鑑定書の見方
買取価格を出す時に買取ショップでは鑑定書を参考にして価格を出します。ですから鑑定書の読み方を知っておけば自分のピンクダイヤモンドの価格を高く出してもらえるかどうかわかります。
鉱物名
鉱物名の欄には「天然ダイヤモンド」「天然ダイヤモンドと認める」といった文言が書かれていると思います。ここの項目は重要で、天然でなければ価値は認められません。まれに合成ダイヤモンドと書かれた鑑定書がありますが、これは天然ダイヤモンドとは全く違うものです。合成ダイヤモンドとは人工的に作られたダイヤモンドで高品質な天然ダイヤモンドと瓜二つですが、天然ダイヤモンドのような価値はありません。
処理の有無
そして処理の有無を確認しましょう。ピンクダイヤモンドでも処理が行われているかどうかで全く価値が変わってきます。放射線処理(通称トリート)と呼ばれる人工的に色をつける処理のことで、基本的に品質の良くないダイヤモンドに行われます。ですので買取になった場合、通常の白いダイヤモンドよりも安価で買い取られます。トリートが行われているダイヤモンドは正式なカラーダイヤモンドではなく、あくまでカラーダイヤモンド風に色を付けたダイヤモンドという位置付けです。
色
ピンクダイヤモンドにとって一番重要なポイントはその特徴である色です。色は濃さ(明度)と鮮やかさ(彩度)の二つを組み合わせて考えます。明度と彩度の違いは以下の通りです。
明度:色の明るさです。一番明るい状態が白、一番暗い状態が黒となります。彩度:色の強さです。単純に言えば色の「濃い」「薄い」ですね。彩度が高くなれば色味が強くなり、逆に彩度が低いと色味がなくなっていき白、黒、灰色の無彩色になっていきます。
ピンクダイヤモンドの鑑定書では明度、彩度を組み合わせて以下の9つに分類しています。買取 金額が高額になりやすいのはファンシービビッドで下に行くにつれて淡い色になります。
- ファンシービビッド(Fancy Vivid)
- ファンシーインテンス(Fancy Intense)
- ファンシーディープ(Fancy Deep)
- ファンシーダーク(Fancy Dark)
- ファンシー(Fancy)
- ファンシーライト(Fancy Light)
- ライト(Light)
- ベリーライト(Very Light)
- フェイント(Faint)
実際には同じ評価だとしてもダイヤにより値段に多少差が出ます。例えばファンシーインテンスと鑑定書に記入されていてもビビッド寄りのインテンスとディープ寄りのインテンスでは、やはり前者の方が高額になります。
カット
ピンクダイヤモンドは色を重視するため、輝きを最大に引き出すカットよりも色を濃く見せるカットにされています。ですからカットのグレードはあまり重要視されていません。しかし色が良いピンクダイヤモンドでカットも良ければ、さらにプラスで買取価格がつく場合があります。
ダイヤモンドの輝きはカットの良し悪しで大きく変化します。一番高評価なExcellentからPoorまで5段階になっています。
Excellent(エクセレント)→Verry Good(ベリーグット)→Good(グッド)→ Fair(フェアー)→ Poor(プワー)
カットの評価はラウンドブリリアントカットと呼ばれる王道の丸いカットのみ基準が決まっていて、その他のカットは評価基準はありません。しかしその他のカットでも左右対称プロポーションが良ければ問題なく評価されます。
クラリティ
クラリティは「透明度」のことです。天然の宝石には長い時間をかけ出来上がる過程で不純物が入り混んでいたり、傷が入ってしまうことがあります。これは自然の中でできた証ではありますが、多く入ってしまうと宝石の美しさが下がってしまいます。特にピンクダイヤモンドのように輝きの強い宝石は内有物の有無で見た目も買取価格も大きく変わります。ピンクダイヤモンドの色を濃く美しく見せ、ダイヤモンド特有の輝きを出すIF(フローレス)は非常に希少性が高く高額になります。クラリティは大まかに5段階、さらにそこから細分化されて11段階に分かれています。
- IF(フローレス):石の内外に一切の傷がない状態
- IF(インターナリーフローレス):内部に一切の傷がない状態
- VVS(ベリーベリースライトリー):ごくごく僅かに内有物がある。VVS1とVVS2でVS(ベリースライトリー):ごく僅かな内有物がある
- SI(スモールインクルーデット):僅かな内有物がある
- I(インクルーデット):内有物がある
※VVS1、VVS2のように数字がついている場合は数字が少ない方が内有物が少なくなります。
カラット
カラットは宝石の重さです。基本は大きければ大きいほど希少性が上がり買取金額が高くなります。しかし日本では大きいだけで美しくないダイヤモンドよりも、小さくて美しいダイヤモンドの方が人気がありますから、そういった場合は海外に販売ルートのある買取ショップに持っていく方がいいでしょう。
ピンクダイヤモンドを高く売る方法
それではピンクダイヤモンドをさらに高額で売るにはどうすればいいのでしょうか。ピンクダイヤモンドは非常に貴重ですから、ポイントさえ押さえておけばさらに高額買取に繋がる可能性があります。
まずは拭いておく、洗浄する
まずは基本的なことからですが、査定してもらう前に綺麗に洗いゴミや手垢を落とした状態で持っていきます。なんだこんな事か、と思われるかもしれませんがこれは非常に重要です。お店にもよりますが買取する時、鑑定士はなるべく商品をお客様の目に見える場所で鑑定します。お客様が不安に感じることがないようにという配慮ですが、そうなると汚れた状態では正確な評価が出来ません。特にダイヤモンドは糸くず一本あるかないかで正確な評価がしにくくなり、結果金額が大きく変わってしまうこともあります。輝きが落ちれば色も薄く見えますから色の評価が下がることもあります。
買取ショップによっては洗浄してくれるところもありますが、できる限り綺麗な状態で持っていく方がベターです。洗浄の仕方は簡単です。食器用洗剤を柔らかい歯ブラシに少しつけてそのままピンクダイヤモンドを磨きます。洗い流したらドライヤーを当てて水気を吹き飛ばして乾かします。これだけで見違えるように美しくなりますよ。
鑑定書をとる
ピンクダイヤモンドは高額ですから海外では偽物も多く出回っています。先ほどもお伝えした合成ダイヤも市場に出回っており、「海外で安価な天然ダイヤモンドが買えたと思ったら実は合成だった」なんて話もよく聞きます。合成ダイヤを見分けるのは不可能ですから、今は多くのお店がダイヤモンドは鑑定書のあるものを買い取りするようになりました。
買取に持っていくときは鑑定書、または鑑別書を持っていくようにしましょう。もし鑑定書がついていない場合は鑑定書をとるのも一つです。買取ショップによっては買い取る前に、鑑定書を取ってもいいか確認してくれる親切なお店もあります。
いかがでしたでしょうか。ピンクダイヤモンドは非常に希少ですから買取も高額になりますし、品質がよければさらに高額になります。ですが鑑定書がなかったり汚れた状態だと正確に鑑定してもらえないこともるかもしれません。事前に準備して買取ショップに持っていくといいでしょう。