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ダイヤの鑑定書の見方〜中央宝石研究所〜

更新日:2023年1月10日
ダイヤの鑑定書の見方〜中央宝石研究所〜

「鑑定書」と「鑑別書」どう違う?

ダイヤモンドには「鑑定書」が付いている場合と、「鑑別書」が付いている場合があります。それぞれ、どういった役割のものなのでしょうか。

鑑定書とは?

まず鑑定書とは、4C(カラー、クラリティー、カット、カラット)の基準などに則って、ダイヤモンドの品質をランク分けした結果が書かれたものです。ダイヤモンドに対してのみ発行されるため、ルビーやサファイアといったカラーストーンには発行されません。

鑑別書とは?

一方、"鑑別"においては、ダイヤモンドだけではなく全ての宝石を対象としてその宝石の屈折率や多色性、蛍光性などの光学的な検査などを行います。そういった科学的検査の結果が書かれたものが"鑑別書"です。その宝石や原石が、どのような種類の物質でできているか、期限は何か?といったことしか分かりません。

つまり、ダイヤモンドの価値や品質を判断するには、鑑定書が必要となります。また、鑑定書があるということは、その宝石が天然ダイヤモンドであることの証明になるのです。

ダイヤの鑑定機関もさまざま

鑑定機関はまず、海外の機関と国内の機関に分けられます。海外の機関としては、ジェモロジカル・インスティテュート・オブ・アメリカ(GIA)が挙げられます。1931年に米カリフォルニア州サンティアゴで設立されました。その圧倒的なシェア(世界の約70%)からGIAの鑑定書は世界で通用するものと言えます。

一方、日本国内には現在30以上の鑑定機関があります。その中でも国内最大かつ、海外でもよく知られているのが中央宝石研究所(CGL)です。設立されたのは1970年で、現在日本で発行される鑑定書の6~7割がCGLのものと言われています。今回は、このCGLの鑑定書について詳しく見ていきましょう。

中央宝石研究所(CGL)の鑑定書とは?

グレーディングレポート

中央宝石研究所の鑑定書の正式名称は「グレーディング・レポート(Diamond Grading Report)」です。

ダイヤモンドのみが鑑定対象で、ダイヤのグレード、つまり4C(Color, Color, Clarity, Cut)の分析を行います。また、4Cだけではなく、寸法や蛍光性まで分析を行ってくれます。

中央宝石研究所(CGL)の鑑定書の見方

ここからは、項目の一つ一つを細かく見ていきましょう。

SHAPE

shape
カット・形状(Shape & Cut) 研磨されたダイヤモンドの形を記した項目です。
ダイヤモンドの美しさを最大に引き出すROUND BRILLIANT CUT(ラウンド・ブリリアント・カット)と記されたものが多いです。
ハートやオーバルなど、ラウンド・ブリリアント・カット以外のカットはFANCY CUT(ファンシー・カット)と記されます。
寸法(Measurements) ダイヤモンドの外周部の最大直径と最小直径、外周部に対して垂直方向の深さの寸法が記されます。
例えば、1カラット(ct)のダイヤの場合、「6.30-6.32×4.00MM」といった形で記載され、6.30が最小直径、6.32が最大直径、4.00が深さを示しています。

 

GRADE-4Cs

重量(カラット)(Carat Weight) ダイヤモンドの重量を記した項目です。精密な電子天秤で測定し、小数点第3位まで記しています。
カラー(色)の等級(Color Grade) ダイヤモンドの色について記した項目です。無色のものほどランクが高く、最高ランクは「D」です。Dから始まり、E、F、……X、Yと続き、Zが最低ランクです。Dに近ければ近いほど無色に近く、Zに近づくにつれて黄色っぽい色になります。
色の起源(Color Origin) そのダイヤモンドの色が天然のものなのか、人工のものなのかを記した項目です。
クラリティ(明澄度)の等級(Clarity Grade)

ダイヤモンドを10倍に拡大して観察し、内包物の有無・数・位置・大きさ・性質・色などを総合的に判断したランクを記した項目です。

  • 「FL」「IF」は10倍に拡大して見て無傷もしくは微小な表面の欠点、
  • 「VVS1」「VVS2」は10倍に拡大して見て発見困難な微小の欠点、
  • 「VS1」「VS2」は10倍に拡大して見て発見が多少困難な欠点、
  • 「SI1」「SI2」は10倍に拡大して見て発見が容易だが、肉眼では困難な欠点、
  • 「I1」「I2」「I3」は肉眼で容易に発見できる欠点を意味します。
カットの等級(Cut Grade) 形と仕上げのランクを記した項目です。
EXCELLENT(エクセレント)
VERY GOOD(ベリーグッド)
GOOD(グッド)
FAIR(フェアー)
POOR(プアー)
の5段階で示されます。

 

OTHERS

others
研磨状態(Polish) ダイヤモンドの研磨された面の仕上げのランクを記した項目です。EXCELLENT(エクセレント)、VERY GOOD(ベリーグッド)、GOOD(グッド)、FAIR(フェアー)、POOR(プアー)の5段階で示されます。
左右対称性(Symmetry) 研磨された面の位置やバランスの仕上げのランクを記した項目です。対称性が高い(シンメトリーである)ほど、ランクは上がります。上の「研磨状態」と同じ5段階で示されます。
蛍光性(Fluorescence) ダイヤモンドに紫外線を当てたときに発する青色の蛍光について記した項目です。この蛍光性が強くなる程、価格が下がっていきます。

 

番号

number

レポートごとに付けられる番号を記した項目です。

PROPORTIONS

propotions

ダイヤモンドの研磨された面の角度や比率をGIA基準に基づいて記した項目です。

その他

comments

上記以外で記載すべき特徴や情報を記した項目です。
記載例:「ガードルに刻印を認む。」

図示省略

ダイヤモンド内に含まれる特徴について図示した項目です。石の表面に限定した特徴は緑色で、石の内部または表面から内部に入っている特徴は赤色で、カッターにより必要外につけられた特徴は黒色で図示されています。「図示省略」と記され、図示されていない鑑定書もあります。

まとめ

ダイヤモンドがいかに多くの項目で、丁寧に鑑定されているのか、お分かりいただけましたでしょうか?

また、今回紹介したCGLの鑑定書は、国内の買取業者や宝石卸業者が最も利用する鑑定書でもあります。お手元にCGLの鑑定書があれば、買取がスムーズに進みますし、鑑定書のあるダイヤモンドの方が、ないダイヤモンドより買取価格は高くなる傾向にあります。

CGLの鑑定書をお持ちの方は、引き続き大事に保管してくださいね。

参考ページ

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