7月の誕生石でもあるルビーは、鮮やかな赤色の発色が特徴の宝石です。ルビーは比較的高価なものであり、宝石コレクターの間でも人気の高いものとなっています。今回は、ルビーという宝石がどのようなものなのかを紹介するとともに、査定の際のチェック基準などについても触れていきます。
ルビーとは?
「ルビー」というのは赤色の宝石で、その語源はラテン語で「赤」を意味する「ルベウス」という言葉からきています。鉱石の硬さを表す硬度は「9」。鉱石の中でも最も硬いとされる硬度10のダイヤモンドに次ぐ硬さです。
ルビーは青色が特徴の「サファイア」と、実は同じ原素からできています。ルビーやサファイアを生み出す鉱物は「コランダム」と呼ばれるもの。コランダムは無色透明の酸化アルミニウムというものを元に構成されており、そこに1.89%の酸化クロムというものが混ざることで、赤く発色し、ルビーとなるのです。
ちなみにサファイアは、と言うと、鉄やチタンが混ざり合っています。サファイアはブルーの印象が強いですが、赤色以外に仕上がったものは全てサファイアとなるのです。コランダムに適度な割合の酸化クロムが混ざることはごく稀であり、ルビーは市場でも希少価値が高いために高額で取引されます。
ルビーとレッドダイヤモンドの違い
ルビーは赤みが特徴の鉱石ですが、似たものに「レッドダイヤモンド」があります。パッと見ただけでは見分けがつきにくいのですが、どのような違いがあるのでしょうか。
ルビー
ルビーは既述のように、コランダムという鉱物が元となっています。硬度は9で硬いものの、ダイヤモンドには及びません。適度な割合で酸化クロムが混ざり合うことで綺麗な赤に発色します。希少価値が高いルビーではありますが、レッドダイヤモンドよりはやや価格は低めです。
レッドダイヤモンド
レッドダイヤモンドはその名の通り、ダイヤモンドの一種です。ダイヤモンドは炭素を元にできあがっているものなので、ルビーとの大きな違いとしては、この点が挙げられます。また、ダイヤモンドなので硬度は10とルビーよりも硬いです。
ダイヤモンドは無色透明のものが一般的ですが、出来上がる過程で不純物が入り込むことで、さまざまな色のダイヤモンドが生まれます。不純物が炭素の原子に影響を与えることで、構成が崩れて色味が変わるのです。
生成の段階で不純物が混じることで、「ピンクダイヤモンド」というものが生まれることがあります。厳密に言うと真っ赤に色づくダイヤモンドというものはなく、ピンクダイヤモンドが変異してできるのが「レッドダイヤモンド」と呼ばれるものなのです。
また、自然に着色するものもあれば、人工的に色付けられるダイヤモンドもあります。人工で綺麗な色に着色されたものは、「ファンシーダイヤモンド」とも呼ばれます。
ルビーの買取金額の決定方法
ルビーの買取金額は、4つのポイントを考慮して算出されます。以下にそれぞれのポイントをまとめたので、チェックしてみてください。
カラー
ルビーといえば鮮やかな色味が特徴であり、真っ赤なものを思い浮かべるでしょう。ルビーの査定でもこのポイントは重要視され、色味が濃いほど価値は高くなります。ルビーの中でも黒みが強いものは、シックで綺麗ではあるのですが、残念ながら価値は下がってしまいます。基本的には鮮やかな赤い色〜赤紫色程度までが最も価値が高く、買取金額が高くなります。
また、ルビーの色味においては、その彩度も大きな判断基準です。明る過ぎればいいというものでもなく、明るすぎず暗すぎず、絶妙な輝きを放つものが、最も価値が高くなります。
ルビーといってもさまざまなものがありますが、価値が非常に高いのがミャンマー産の「ビジョンブラッド」、次いでタイ産の「ビーフブラッド」とされています。
透明度
インクレーションというのは、ルビーの中に入っているもののことです。生成の過程で中に入り込んだものが、これに該当します。インクレーションが少ないものというのは、透明度も高いので価値が高くなりやすいです。
ただ、例外として、インクレーションが綺麗に入り込んでいる場合、希少価値が上がることも。例えば「スタールビー」と呼ばれるものは、ルチルと呼ばれる針状のインクルージョンが入っていることで、価値が高く人気があります。
また、ルビーは市場に出る前に加工されて宝石などに生まれ変わるわけですが、カットに傷がついたり、購入した後の使用時に傷がつく場合があります。こうした傷は当然見栄えを悪くしてしまうため、残念ながら買取価格を下げる原因となってしまうのです。
インクレーション(内包物)
前述のように、ルビーにはインクレーションというものが含まれて生成されます。内包物というのは決まっておらず、どんなものが入り込むかによってそのルビーの特徴も変わってくるのです。色味にも影響を与えるので、重要なポイントと言えます。
インクレーションは、鉱山ごとに内容が異なります。個体や液体、気体などを含んで生成されるので、ルビーの現物を見ることで、それがどこで採れたものかわかると言われています。
基本的にインクルージョンを含まないルビーはないと言われています。少ない方が価値が高いものではあるのですが、良い味を出すアクセントにもなるので、インクルージョンについては査定の際にもしっかりとチェックされます。インクルージョンは、その種類や大きさが主要な判断基準となります。
カラット(重さ)
鉱石や宝石を査定するときに最も重要なポイントとなるのが、カラットです。カラットとは重さのことで、基本的に数字が大きいほど希少価値も高くなります。最高品質で取引をされているルビーは、基本的に2カラット未満のものが多いです。ルビーにおいて3カラットをこえるものというのはほとんど出回っていないため、基本的に2カラットまでのものが取引されることが多いのです。
ルビーの買取相場
ルビーを買取に出す場合には、その査定額も気になりますよね。ルビーがいくらくらいで取引されているのか、その相場について少し紹介していこうと思います。
加熱処理がされておらず、カラット数が大きいルビーであれば、数十万で買取をしてもらうことができます。使用感やキズがあるものの場合は、カラット数や透明度、保存状態などを加味して査定額が決まります。指輪の場合は大体数千円〜数十万円、ネックレスの場合は数万円ほどが相場です。また、指輪はリング部分に、ネックレスはトップ部分にダイヤが一緒についているものがありますが、こうしたものはさらに価値が上がり、査定額も高くなります。
ルビーは産地によっても特徴が異なりますが、ミャンマー産のものは比較的状態が良く、見た目もきれいなので査定額は高めです。
また、ルビーは硬度がダイヤモンドの次ということもあり、硬さがあって加工しやすいのが大きなメリットです。カットしても壊れにくく、より繊細な形に仕上げることができ、綺麗な加工のものであればあるほど、その買取価格は高くなります。
ルビーを高く売る方法
ルビーはルビーであるというだけでも他の鉱石より希少価値があるので、高く買い取ってもらうことが可能です。しかし、さらに買取価格を上げたいというのであれば、以下のポイントを押さえてから買取に出すようにしましょう。
丁寧に扱う
ルビーに限ったことではありませんが、買取をする際には綺麗な状態のものの方が査定額は上がります。そのため、普段から丁寧に扱って、傷をできる限りつけないように配慮しなければなりません。
使用後は柔らかい布でふき取って、傷や汚れをこまめにとるようにしましょう。また、アクセサリーとして身につける場合には、服に絡まって傷をつけてしまわないように、身支度の一番最後につけるのがベストです。そして、外す際には一番最初に外すようにしましょう。
また、ケースにしまう場合には、複数の宝石がある場合にはぶつかって傷がつかないように、仕切りなどを上手く活用して収納しましょう。ケースに入れる時もしまうときも、とにかく丁寧に行うことを心がけることで、綺麗な状態を維持することができます。
宝石専門業者を選ぶ
ルビーを買取に出すのであれば、それ相応の知識を持っているところにお願いするのがベストです。身近なリサイクルショップでも買い取ってくれることはありますが、宝石の専門知識を備えていない人が買取を行うと、適切な査定額がつかないことも多いのです。
箒を専門に扱っている買取業者であれば、基本的に宝石知識を十分に備えているので、査定もスムーズにいきますし、何より正しい査定を出してもらうことができます。どんなところを選ぶかによって査定額も変わってきてしまうので、口コミなどもチェックしながら、しっかりと見定めていきましょう。
宝石の専門業者であれば他の宝石などの買取も一緒に、スムーズに行ってくれるので、まとめて売りたい時にもおすすめです。
まとめ
今回は、ルビーを査定に出す際のチェックポイントや買取価格の相場について紹介してきました。基本的にルビーは硬度が高く、希少価値もあるので他の鉱石と比較しても買取相場は高い傾向にあります。
加えてカラットやインクルーションなどによっても特徴が異なってくるので、この辺りも査定のポイントとなります。透明感が高いか、色味は濃いか、という点を総合的に判断して、査定が下されるのです。
保存方法によってルビーの状態も変化するので、高額で買取をしてもらいたいのであれば、そのあたりにも気を配らなければなりません。希少価値の高いルビーなので、使用時にはできる限り丁寧に扱うことが大切です。
買取業者も上手に選んで、満足のいく買取につなげましょう!