1. TOP
  2. コラム一覧
  3. 人工ダイヤモンドの主な種類と特徴、および資産価値の比較
コラム

人工ダイヤモンドの主な種類と特徴、および資産価値の比較

更新日:2025年5月2日
人工ダイヤモンドの主な種類と特徴、および資産価値の比較

人工ダイヤモンドとは何か

人工ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド、合成ダイヤモンド)とは、人間が研究室や工場で人工的に育成したダイヤモンドのことです。天然ダイヤモンドが地球深部で数億年をかけて形成されるのに対し、人工ダイヤモンドは高度に管理された条件下でわずか数日から数週間で結晶化されます。

化学組成や結晶構造は天然ダイヤモンドと同一であり、炭素(C)からなる正八面体構造を持つため、硬度(モース硬度10)や屈折率(2.417)、分散度(0.044)など物理的・光学的特性も天然石と完全に同じです。要するに、人工ダイヤモンドは見た目や性質の上では天然と変わらない「本物のダイヤモンド」です。ただし、生成過程の違いから結晶内部に残る痕跡(不純物や成長パターンなど)には差異が生じ、この違いを手がかりに 宝石学的な鑑別(識別)は可能です。

現在、宝石用(ジュエリー用)の単結晶ダイヤモンドを人工的に作る主な方法はHPHT法(高温高圧合成法)とCVD法(化学気相成長法)の2種類です。

ダイヤモンド指輪の価値を知りたい方はLINE査定をご利用ください。簡単1分で無料査定スタート!

人工ダイヤモンドの製造方法

人工ダイヤモンドの主な製造方法には、HPHT法(高温高圧合成法)とCVD法(化学気相成長法)があります。

HPHT法は、高圧・高温条件下でダイヤモンドを結晶化させる手法で、約5~6GPaの超高圧と1,300~1,500℃の高温を使います。一方、CVD法は気相中の炭素源からダイヤモンドを析出させる手法で、炭素化合物のガスを低圧・高温環境下で分解し、種結晶表面に炭素を沈着させます。

どちらの方法も技術の進歩により、高品質で大きなサイズの人工ダイヤモンドの生産が可能になっています。HPHT法は小粒の大量生産に適している一方、CVD法はより大型で高純度の結晶を得られる特徴があります。

専門家による正確な査定を受けたい方はこちら

人工ダイヤモンドの資産価値が低い理由

人工ダイヤモンド(HPHT法・CVD法とも)は宝飾品として実用に足る品質を持ち、市場での流通も拡大しています。しかし天然ダイヤモンドと比較した場合、人工ダイヤモンドの資産価値(リセールバリュー)は著しく低いことが指摘されています。一般消費者がダイヤモンドを売却しようとする際、同じ品質等級(4C)の石でも人工石は買取価格が非常に安く抑えられる傾向があるのです。その主な理由を専門的な観点から整理すると、以下の通りです。

希少性と供給量の違い

天然ダイヤモンドは地球上で限られた産地から限られた量しか産出されない希少資源です。一方、人工ダイヤモンドは前述の通り技術と設備さえ整えば人為的に短期間で量産可能なため、経済学的な希少価値が著しく低いといえます。実際、天然ダイヤモンドは地球上の供給量に自然の上限がありますが、人工ダイヤモンドは需要さえあれば工場でいくらでも増産でき、供給面での制約がほとんど存在しません。

この違いから、経済原理に基づき希少な天然石には価値が付与されやすいのに対し、潤沢に作れる人工石には高い価値が付きにくいのです。また大手鉱山会社(デビアス社など)は天然ダイヤの価格維持のため産出量を調整するといった市場コントロールを行っていますが、人工石にはそうした統制が無く、市場原理により価格が下落しやすい土壌があります。

LINEで簡単!ダイヤモンド指輪の無料査定はこちら

需要と供給バランスによる価格動向

近年の人工ダイヤモンド市場は技術革新と生産能力の増強により供給量が爆発的に増加しましたが、それに比べて需要の伸びは緩やかで、結果として価格が急落傾向にあります。例えば、1カラットの無色合成ダイヤモンド(VSクラス)の小売価格は2018年頃には約$3,600でしたが、数年で$1,600程度にまで低下したとの報告があります。

わずか5年ほどで価格が半分以下に下がった計算であり、卸売価格ベースでは2015年から2023年にかけて平均1カラット当たりの価格が約90%も下落したとの分析もあります。このように人工ダイヤの市場価格は年々下落基調であり、新品購入時点ですでに同等ランクの天然石より大幅に安い上、時間の経過とともにさらに価値が目減りしやすい状況です。

価格下落の主因は技術進歩による生産コスト低下と供給過剰であり、裏を返せば人工ダイヤは「将来的により安価に手に入る可能性が高い」ため資産的価値を維持しにくいといえます。

再販市場の未成熟

天然ダイヤモンドには古くから中古流通(リセール)市場が存在し、質屋・宝石店・オークションなどでの買い取り・売買が活発です。これに対し、人工ダイヤモンドは市場参入から日が浅く、かつ新品価格が下落し続けていることもあって、中古で買い求める需要が極めて限られています。

中古市場における大手バイヤーやディーラーの多くは価値の保証された天然石のみを取り扱う傾向があり、現時点で人工ダイヤを積極的に買い取るプレイヤーはほとんど存在しません。このため、消費者が一度購入した人工ダイヤを手放そうとしても買い手が付かず、事実上「再販価値ゼロ」に近いという極端な状況さえ指摘されています。

仮に買い取り可能でも、その価格は購入時のごく一部(新品価格の一割以下)に抑えられるケースが一般的です。換言すれば、人工ダイヤは一度購入したら最後、資産的なリターンは期待できない商品と見なされているのです。

消費者・業界の評価

倫理面・環境面で人工ダイヤモンドを支持する声はあるものの、資産価値の観点では依然として 「本物の価値があるのは天然のみ」という認識が根強く存在します。長年にわたり培われてきたブランド価値や信頼性の違いもあり、宝飾品としてのステータスや投資対象としては天然ダイヤの方が優位に立っています。

また人工石は「コストパフォーマンス重視の商品」に用いられる傾向があり、安価な素材(シルバーやメッキ台)と組み合わせて販売される例も多いため、ジュエリー全体として見た場合の評価額も低く抑えられがちです。以上のような背景から、一般的な宝石店や買取業者では人工ダイヤ付きジュエリーの査定額はどうしても 低めになり、資産価値が付きにくいのが現状です。

状態が気になるダイヤモンドも、まずはLINEで簡単査定

まとめ

人工ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドに比べると資産価値が低いことが挙げられます。これは、人工ダイヤモンドが大量生産され、供給が安定していることが主な原因です。見た目や物理的特性は天然と同じでも、希少性の欠如と供給過多による価格下落、そして中古市場の不在によって、天然ダイヤモンドに比べて資産価値が大きく劣っています。

ダイヤモンド専門の買取業者の多くも「資産価値を考えるなら希少な天然ダイヤモンドが無難」と述べており、販売時点から将来的な価値減少を織り込んで検討すべきとされています。

ダイヤモンド指輪の価値を知りたい方はLINE査定をご利用ください。簡単1分で無料査定スタート!

CTA Banner

最新の記事

LINE査定なら最速5分で
買取価格が分かります