色付きのダイヤモンド、いわゆるファンシーカラーダイヤモンドは、本当に高く売れるのでしょうか?
ピンクやブルー、イエローなどカラフルなダイヤの価値は、実際には色によって大きく異なります。
本記事では、ファンシーカラーのダイヤモンドの価値とその理由、さらに高く売却するためのポイントについて解説します。
ファンシーカラーダイヤモンドとは?
ファンシーカラーダイヤモンドとは、通常の無色透明のダイヤモンドに対し、明確な色合いがついたダイヤモンドのことです。
天然で色がついたダイヤモンドは非常に稀少で、採掘されるダイヤモンド全体のうちわずか0.1%程度しか存在しないとも言われます(【出典】)。
発色の原因はダイヤ内部の微量元素や結晶構造の歪みによるもので、色によって異なります。
例えば、ブルーダイヤモンドは結晶中にボロン(ホウ素)が含まれることで青く発色し、イエローダイヤモンドは窒素原子によって黄色になります(【出典】)。
こうした希少性と神秘的な美しさから、ファンシーカラーダイヤモンドは無色のダイヤモンドとは別格の市場価値を持っています。
ブルーダイヤモンドはなぜ高価?
ブルーダイヤモンドは、ファンシーカラーの中でも最高額が付くものの一つです。
その青色はダイヤモンドの結晶内に微量のホウ素が混入することで生じます(【出典】)。
天然のブルーダイヤは世界でもごくわずかな鉱山(南アフリカのカリ南鉱山やインドのゴルコンダ鉱山など)でしか産出されないため極めて稀少です。
その希少性ゆえ市場での需要も非常に高く、特に色味の濃い「ファンシーインテンスブルー」や「ファンシービビッドブルー」には驚くほどの高値が付きます。
例えば、2023年には香港のオークションで11.28カラットのラディアントカット・ファンシービビッドブルーダイヤモンド(通称「Infinite Blue」)が2,530万ドル(約37億円)で落札されています(【出典】)。
また過去には、14.6カラットのブルーダイヤモンドが総額5,750万ドル(1カラット当たり約390万ドル≒約4億円)という記録的な価格で落札された例もあります(【出典】)。
このようにブルーダイヤは石の大きさに関わらず1カラットあたりの価格が非常に高く、小粒(例:0.3ct程度)であっても数百万円以上の価値になることがあります。
ピンクダイヤモンドの価値
ピンクダイヤモンドもブルー同様に極めて稀少な宝石です。
特に有名な産地であったオーストラリアのアーガイル鉱山が2020年11月に閉山して以来、上質のピンクダイヤは以前にも増して希少価値が高まっています(【出典】)。
ピンク色の発色原因は完全には解明されておらず、ホウ素などの特定元素ではなくダイヤモンド結晶構造の歪みによるものと考えられています(【出典】)。
ピンクダイヤはそのロマンチックな色合いから需要が非常に高く、特に濃く鮮やかな色味(「ファンシービビッドピンク」や「ファンシーインテンスピンク」)の石ほど高額で取引されます。
一方で淡いピンク(フェイントピンク)程度の発色だと、同サイズの無色ダイヤとほぼ変わらない価格帯に留まるケースもあります。
実際、ピンクダイヤの価格はサイズや色の濃さによって1カラット当たり数万ドルから数十万ドル以上と幅があり、2017年には59.6カラットの「ピンク・スター」が7,120万ドル(当時約80億円)で落札されるなど記録的な高値も生まれています(【出典】)。
小粒でも肉眼で鮮やかなピンク色がはっきり分かるダイヤモンドであれば、極めて高い価値が付くと考えて良いでしょう。
イエローダイヤモンドの価値
イエローダイヤモンド(黄色)については、ピンクやブルーに比べると市場評価は低めです。
黄色の色味はダイヤ中の窒素原子によって発現しますが、カラーダイヤモンドの中では最も産出量が多い色とされています(【出典】)。
一般的に無色透明のダイヤモンドが最も高い評価を受け、そこに微かな黄色味が差してくるとカラーグレードの低下に伴って価値も下がっていきます。
はっきりと黄色と分かる「ファンシーライトイエロー」以上のものはファンシーカラーとして扱われますが、供給量が比較的多いため1カラットあたりの単価も他のファンシーカラーに比べるとかなり低く抑えられています。
実際、淡いイエローのダイヤは同サイズ・同品質の無色ダイヤより安価になる場合もあります(【出典】)。
鮮やかなカナリアイエローと称される「ファンシービビッドイエロー」クラスになると多少価値は上がりますが、それでもピンクやブルーほどの高額にはなりません。
世界記録級のイエローダイヤとして知られる100.90カラットの「グラフ・ビビッドイエロー」ですら、オークションで約1,630万ドル(約18億円)に留まっています(【出典】)。
このように、一般にイエローダイヤの評価額はピンクやブルーのダイヤに比べて低い傾向があります。
ファンシーカラーダイヤを高く売るポイント
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鑑定書の確認: ファンシーカラーのダイヤモンドを売却する際は、まず付属する鑑定書を確認しましょう。
信頼できる鑑定機関(米国のGIA〈米国宝石学会〉や日本の中央宝石研究所〈CGL〉など)の鑑定書が付いているダイヤであれば、カラーの評価や天然石であることが保証されているため、買取業者側も安心して高値を付けやすくなります(【出典】)。
反対に、無名または信頼性の低い鑑定機関による鑑定書の場合、実際よりグレードが甘い(評価が緩い)ケースもあり注意が必要です(【出典】)。
実際、日本の鑑定機関「AGTジェムラボラトリー」はかつて権威ある機関として知られていましたが、2023年3月に事業廃止となりました(【出典】)。
業界では、同機関発行の鑑定書が添付されたカラーダイヤについて、他機関より楽観的なカラー評価がなされている例が指摘されています。
例えば、わずかにブラウンがかったピンクダイヤでも一部の鑑定機関では「ブラウニッシュ・ピンク」(末尾がピンク)と表記されるのに対し、より厳格な鑑定機関では「ピンク・ブラウン」(末尾がブラウン)と判定されるケースがあります(【出典】)。
このように鑑定機関によって評価に差異が生じることがあるため、鑑定書の発行元には注意しましょう。
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複数の査定を比較: ファンシーカラーダイヤは非常に高額になる可能性があるため、売却時には一社の提示額だけで即決せず、複数の専門業者に査定を依頼して比較検討することをおすすめします。
特にブルーダイヤや鮮やかなピンクダイヤなど数百万円以上の価値が見込まれる石は、買取業者によって査定額が大きく異なることもあります。
ファンシーカラーの評価は高度な専門知識を要するため、経験豊富で信頼できる鑑定士や買取店を選ぶことが重要です。
適切な査定を受けることで、本当に価値のあるファンシーカラーダイヤモンドならば納得のいく高額での売却も十分可能になるでしょう。








