結婚指輪、婚約指輪、あるいは昔購入したジュエリー――「もう使っていない」「タンスの奥で眠っている」そんなダイヤ入りアクセサリーをお持ちの方は少なくないでしょう。しかし、ただ「古い」「デザインが好みでない」といった理由で売却をあきらめるのは、とてももったいないかもしれません。
なぜなら、ダイヤの価値は「どこを」「どのように」見られるかで大きく変わるからです。今回ご紹介する、プロが必ずチェックする 5つのポイント を押さえておけば、あなたの思っている以上の査定額を引き出せる可能性があります。
プロが見る「ダイヤ売却時の5大チェックポイント」
- 中石(センターストーン)の評価
- 脇石(メレダイヤなど)の評価
- 地金(プラチナ・金など)の価値
- 汚れ・ホコリの除去(クリーニング)
- 国際相場と為替レートの状況
以下、それぞれについて詳しく解説します。
1. 中石(センターストーン)の評価 — 買取額の 8〜9割がここで決まる
ジュエリーでもっとも価値を持つのは、リングなどの中央にあしらわれた “中石(センターストーン)”。多くの場合、この石の評価が全体の 約80%〜90% を占めます。
ダイヤの品質を判断する国際的な基準として広く使われているのが、いわゆる 「4C」 です。これは以下の4つの要素から成ります:
Carat(カラット=重さ)/Color(カラー=色)/Clarity(クラリティ=透明度)/Cut(カット=カット・研磨状態) :contentReference[oaicite:0]{index=0}
もし当時の鑑定書(グレーディングレポート)が手元にあれば、それを査定に出すことでスムーズかつ信頼性の高い評価を受けやすくなります。一方で、「鑑定書をなくした」「古い鑑定書で今の基準と違う」という場合でも、プロによる査定では 現行の国際基準での再評価 が行われることがあります。これは非常に重要です。
つまり、「昔の鑑定書がない」ことを理由にあきらめる前に、一度プロに相談する価値があります。
2. 脇石(メレダイヤなど)の存在をあなどらない — 小さくても価値あり
「脇石」「メレダイヤ」は、小さく、目立たないため査定で無視されることもあります。しかし、プロの査定ではこれらもきちんとチェックされ、価値として評価されるケースが多いです。
たとえ小さい石であっても、良質であれば、その分だけ査定額にプラスされる可能性があります。特に複数個使われている場合などは無視できません。
査定前に「メレダイヤも見てほしい」と伝えることで、思わぬ評価アップにつながるかもしれません。
3. 地金(プラチナ・金など)も見逃せない — 石だけじゃない、素材にも価値あり
多くのジュエリーは、プラチナ (Pt) や金 (K18 / K14 など) で作られています。これらは、たとえ石が外されても「地金(スクラップ)」として価値があり、重さとその時の貴金属相場で評価されます。
特に最近は、地金の価格が上がっており、地金だけで数十万〜100万円規模の価値になるケースも決して珍しくありません。
そのため、査定時には石だけでなく、地金の重さと素材を正確に測定・評価してもらうことが重要です。
4. 汚れ・ホコリの除去(クリーニング) — 見た目を整えれば査定額も変わる
長年使っていたジュエリーは、石の裏側や台座の隙間に「ホコリ」「皮脂」「タバコのヤニ」「黄ばみ」などがたまり、石の輝きが損なわれていることがあります。こうした汚れが付いたまま査定すると、本来の美しさや透明度が正しく評価されないことがあります。
しかし、査定前にクリーニングをしておくことで、石本来の輝きや透明度が回復し、当初想定されていた以上のグレードで査定されることも少なくありません。
査定に出す前に、可能であれば軽くでもいいのでクリーニングを行うのがおすすめです。
5. 国際相場と為替レート — 円安の今は“売りどき”かもしれない
ダイヤモンドは、国際市場で主に取引されており、多くの場合 USドル建て で価格が決まります。査定時にはまずドルで値段を付け、その後、現在の為替レートで日本円に換算され、支払い額が決まります。
つまり、同じダイヤでも為替レートの状況により、円で受け取る額が大きく変わる可能性があります。たとえば、円安(ドル高/円安)が進んでいるタイミングでは、円換算での受け取り額が高くなりやすくなります。
また、たとえダイヤそのものの国際相場が安定していたとしても、為替の影響で“売りどき”となることがあります。
なぜ「ただの古いジュエリー」と考えるのはもったいないのか ― 買取店選びの重要性
あなたのジュエリーが、「昔購入した」「鑑定書がない」「デザインが古い」などの理由で使っていなかったとしても、上記のようなチェックポイントをしっかり見てくれる買取店や鑑定士であれば、想像以上の金額になる可能性があります。
逆に、「メレダイヤを無視」「地金をスクラップ扱い」「汚れありは減額」というような、品質をきちんと評価しない買取店に頼むと、本来の価値が見逃され、査定額が低くなりがちです。
特に初めて売る人は、「古い」「鑑定書がない」という理由であきらめず、経験ある専門業者に一度査定を依頼することをおすすめします。
まとめ:売る前のチェックリスト
- 中石(センターストーン)の品質(4C)がどの程度か。鑑定書があれば持参。なければ査定時に再チェックを依頼。
- 脇石(メレダイヤなど)があれば、「メレも見てほしい」と伝える。小さくても価値あり。
- 地金の重さ・素材をきちんと測定してもらう。プラチナや金の価値を見逃さない。
- 可能であれば査定前にクリーニングを。見た目がきれいになるだけで査定額アップの可能性。
- 為替や国際市場の状況もチェック。円安時は特に「売りどき」の可能性あり。
これらを頭に入れて査定に出すだけで、「使わなくなった」ダイヤが、思わぬ価値を持つかもしれません。まずは信頼できる専門店に査定を依頼してみましょう。






