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ダイヤモンドのカットグレードが買取価格に与える具体的影響:Excellent vs Good の価格差を数値で解説

更新日:2025年8月4日
ダイヤモンドのカットグレードが買取価格に与える具体的影響:Excellent vs Good の価格差を数値で解説

ダイヤモンドのカットグレードは買取価格に最大80%もの差を生み出す最重要要素であり、特にExcellentカットは他のグレードより60-70%高い査定額を実現することが判明しました。4Cの中で唯一人間の技術によって決まるカットは、ダイヤモンドの輝きを直接左右し、同じ1カラットでもPoorカットはExcellentカットの20-40%の価値しかありません。さらに、全ダイヤモンドの1%未満しか存在しないハート&キューピッド(H&C)ダイヤモンドは、通常のExcellentカットより20-30%のプレミアムが付加されます。2024-2025年の市場では、ラボグロウンダイヤモンドの台頭により天然ダイヤモンドの希少性が再評価され、高品質なカットグレードの価値がより一層重要視されています。

はじめに:なぜカットで買取価格が変わるのか?

ダイヤモンドの美しさは光の反射によって決まり、その反射を制御するのがカットの技術です。Excellentカットは95%以上の光を反射し、圧倒的な輝きを放ちます。一方、Poorカットでは光の反射率が65%未満まで低下し、ダイヤモンド本来の美しさが失われてしまいます。

カットグレードは5段階で評価され、それぞれに明確な基準があります。理想的なラウンドブリリアントカットでは、テーブル径54-60%、全深度59-63%、クラウン角度33-35度という精密な数値が求められます。これらの比率が1度でも狂えば、光の反射パターンが変化し、輝きが損なわれるのです。特に重要なのは、カットが他の3C(カラー、クラリティ、カラット)の見た目にも影響を与えることです。優れたカットは実際のカラーグレードより白く見せ、軽微な内包物を目立たなくする効果があります。

日本の主要鑑定機関である中央宝石研究所(CGL)やAGTジェムラボラトリーも、GIA基準に準拠した厳格な評価を行っています。トリプルエクセレント(3EX)と呼ばれる、カット・ポリッシュ・シンメトリーすべてがExcellent評価のダイヤモンドは、通常のExcellentより5-10%高い価値を持ちます。

ダイヤモンドのカットグレード5段階を分かりやすく解説

Excellent(エクセレント)の特徴

Excellentグレードは最高レベルの輝きと美しさを実現するカットです。光をほぼ完璧に反射する理想的なカットとして、95%以上の光反射率を誇ります。プロポーションの精度が極めて高く、ファイアとブリリアンスが最大限に引き出されています。

Very Good(ベリーグッド)の特徴

Very GoodはExcellentに近い美しさを実現しながら、コストパフォーマンスに優れた選択肢として人気があります。光の反射率は85-95%程度で、肉眼では Excellentとの違いをほとんど判別できません。買取価格はExcellentの80-85%程度となります。

Good(グッド)以下の特徴

Goodグレードは適度な輝きは確保されているものの、上位グレードとの差が明確に現れます。光の反射率は70-85%程度で、買取価格への影響が大きく、Excellentと比べて60-75%の価格設定となることが一般的です。Fair以下になると、さらに価値が大幅に下落します。

カットグレード別の実際の買取価格差

1.00ctダイヤモンドでの価格比較

調査により、カットグレードによる買取価格差は想像以上に大きいことが明らかになりました。1.00カラットのダイヤモンドで比較すると、Excellentを基準(100%)とした場合、Very Goodは80-85%、Goodは60-75%、Fairは40-60%、Poorは20-40%という価格設定が一般的です。

実際の買取事例を見ると、DDJapanでの査定では、1.07カラットのVery Goodカットダイヤモンド(カラーD、クラリティVVS1)が110万円で買取られた一方、他社では66万円という査定でした。この44万円もの差額(67%アップ)は、専門的な評価能力の違いを如実に示しています。

具体的な価格例(1.00ct、カラーD、クラリティVS1の場合):

  • Excellent: 130-150万円
  • Very Good: 115-130万円(約13%減)
  • Good: 100-115万円(約23%減)

0.50ctダイヤモンドでの価格比較

さらに興味深いのは、0.505カラットのPoorカットダイヤモンド(カラーJ、クラリティSI2)でも、専門店では4万5,000円の査定に対し、一般買取店では2万7,000円と、小粒でもカットの影響は同様に重要であることが示されています。

主要買取業者の価格設定を見ると、なんぼやは0.3ct~10.99ctまでのカットグレード別価格表を提供し、D/IF/3Excellent H&C条件で最高価格を設定しています。大黒屋は年間買取実績150万件の実績に基づく相場設定を行い、リファスタは0.2ct~10.9ctまでの詳細な価格シミュレーションツールを提供しています。

詳しい査定基準については、ダイヤモンド買取の査定額はどのように決まるか?をご参照ください。

ハート&キューピッド(H&C)の特別な価値

H&Cとは何か?

ハート&キューピッド(H&C)ダイヤモンドは、究極のカット精度が生み出す光学現象です。専用スコープで観察すると、クラウン面から8本のキューピッドの矢、パビリオン面から8つのハートが見える、まさに愛の象徴とも言えるダイヤモンドです。

この現象が生まれるには、カット面の角度・面積・形状において極めて高い精度が必要で、通常の3-4倍の製作時間と、より多くの原石を犠牲にする必要があります。その結果、全ダイヤモンドの1%未満という希少性を持ちます。

H&Cの買取価格プレミアム

H&Cダイヤモンドは通常のExcellentカットに対して10-30%のプレミアムが付加されます。特に日本市場では1980年代の発見以来、婚約指輪用途で絶大な人気を誇り、ブライダルシーンでは必須アイテムとなっています。

鑑定機関によって呼称は異なり、CGLでは「ハート&キューピッド」(登録商標)、GIAでは「ハート&アロー(H&A)」、AGTでは「華標(はなしるべ)」と呼ばれますが、いずれも同じ現象を指しています。D-Fカラーの高品質H&Cダイヤモンドでは、さらに5%の追加プレミアムが期待でき、トリプルエクセレントH&Cともなれば、最高峰の評価と価格が保証されます。

買取査定でカットはどう評価される?

査定士による評価方法

買取査定では、プロポーションスコープやダイヤモンドビューアーなどの専門機器を使った客観的測定が行われます。査定士は10倍拡大鏡での初期検査から始まり、顕微鏡での詳細分析、デジタル計測器での角度測定まで、多段階の評価プロセスを経て最終的な査定額を決定します。

鑑定書の有無による影響

鑑定書の有無は買取価格に20-40%もの差を生み出します。GIA鑑定書付きダイヤモンドは基準価格の100-115%、CGL鑑定書付きは95-110%で取引される一方、鑑定書なしの場合は60-80%まで下落することが一般的です。特に重視されるのは4Cグレーディングはもちろん、蛍光性(Strong以上は価格に悪影響)、プロポーション詳細、そして鑑定機関の信頼性です。

古い鑑定書(10年以上前)の場合、現在の厳格化された基準ではワン〜ツーグレード下落する可能性があり、再鑑定が推奨されます。また、B級・C級鑑定機関の鑑定書は信頼性に問題があり、適切な専門店なら価格差は生じないものの、大手買取業者では評価が大きく下がることも覚えておくべきでしょう。

2025年の市場動向と賢い売却戦略

2024年のダイヤモンド市場は、2022年のピークから25%下落という調整局面にあります。しかし、この状況は売却を検討する消費者にとって必ずしも悪いニュースではありません。日本の宝石輸出は円安効果により64.4%増加し、外国人観光客需要の回復により国内市場は1兆462億円規模まで成長しています。

最も注目すべきは、ラボグロウンダイヤモンドの急速な普及です。米国婚約指輪市場では2024年に52%がラボグロウン(2019年の12%から急拡大)となり、天然ダイヤモンドの20-30%の価格で取引されています。この状況は逆に、高品質な天然ダイヤモンドの希少価値を高める結果となっており、特にExcellentカット以上のグレードを持つダイヤモンドは、投資対象としての地位を確立しつつあります。

売却タイミングとしては、12月-2月のブライダル需要期、4月-5月の新生活需要期が狙い目です。また、オンライン査定・宅配買取の利用も年9-12%の成長を見せており、複数業者での査定が容易になっています。最低3社での査定を受け、10-20%の価格差から最適な売却先を選ぶことが重要です。

まずは手軽に査定額を知りたい方は、最短5分のLINE査定をお試しください。

まとめ:カットグレードで賢くダイヤモンドを売却しよう

ダイヤモンドの売却を成功させる鍵は、カット品質への理解が高額買取の鍵となることを理解し、その価値を正しく評価できる専門業者を選ぶことにあります。Excellentカットは他のグレードより60-70%高い査定額を実現し、H&Cダイヤモンドならさらに20-30%のプレミアムが期待できます。

売却前の準備として、プロフェッショナルクリーニングで輝きを回復させ、鑑定書や購入時の付属品をすべて揃えることが大切です。複数の専門業者で査定を受け、4C評価の根拠説明を求めることで、適正価格での売却が可能になります。2025年は供給制約による価格上昇も期待されており、正確な知識と戦略的なアプローチで、お手持ちのダイヤモンドジュエリーの真の価値を実現できるでしょう。

DDJapanの専門査定で適正価格を実現し、カットグレードこそが、ダイヤモンドの美しさと価値を決定する最重要要素であることを忘れずに、賢明な売却判断を行ってください。

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(参考サイト)

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