本記事では、ダイヤモンドの価値に大きく影響する「4C」について解説します。後半では、品質を客観的に評価したレポート「鑑定書」についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ダイヤモンドの価値を決める、4つの「C」
ダイヤモンドの価値は「4C」と呼ばれる評価基準に大きく影響されます。4Cは1950年代にG.I.A(米国宝石学会)が定めたもので、国際的に使用されている基準であり、日本で鑑定されるダイヤモンドも例外ではありません。
4Cはそれぞれ、Carat(カラット/重さ)、Color(カラー/色)、Clarity(クラリティ/透明度)、Cut(カット/研磨)の頭文字をとっています。それぞれの評価基準の内容を順番に見ていきましょう。
Carat : カラット(重さ)
ひとつ目は「カラット」です。カラットは、宝石全体の重さを測る際の単位で、「ct」と表記されます。
1.0ctは0.200gですが、重さだけでは小さなダイヤを複数個集めて「重いor軽い」と判断されてしまうため、ひとつひとつの大きさも参照する必要があります。1.0ctのダイヤモンド1個と0.1ctのダイヤモンド10個では重さは同じですが、1個で1.0ctのダイヤモンドのほうがより希少性が高いというわけです。
こういった評価の仕方を「メートルカラット」と呼び、一個体が大きくて重いほど価値が高いダイヤモンドとして評価されます。
Color : カラー(色)
ふたつ目は、「カラー」です。ダイヤモンドそのものが持つ地色のことを指しています。
最も価値が高いとされる「無色:Colorless(D〜F)」から、「ほぼ無色:Near Colorless(G〜J)」、「ごくわずかな色味:Faint(K〜M)」、「かすかな色味:Very Light(N〜S)」、「色味あり:T〜Z」という5つのグレードと、23段階の色評価に分けられています。
科学的にも証明された不純物のない純粋なカラーレスグレードは、最上級のダイヤモンドと呼べるでしょう。
Clarity : クラリティー(透明度)
3つ目は「クラリティ」です。よく「カラー」と混同されがちですが、こちらはダイヤモンドの「透明度」を示す基準であり、表面や内部に含まれる天然の内包物や疵(キズ)の有無をみます。
「内包物(インクルージョン)」は、ダイヤモンド内部に含まれる鉱物の結晶などが影響しています。「疵(ブレミッシュ)」は表面のキズや欠けなどです。ダイヤモンドを10倍拡大鏡で見た場合の様子に基づいて決定され、大きく6段階に分かれています。
「内外部無欠点:Flawless(FL)」、「内部無欠点:Internally Flawless(IF)」、「非常に発見困難:Very Very Slightly Included(VVS1、VVS2)」、「発見困難:Very Slightly Included(VS1、VS2)」、「比較的容易に発見できる:Slightly Included(Sl1、Sl2)」、「肉眼でも発見できる:Included(l1、l2、l3)」となっています。
顕微鏡で見ても内包物や瑕が確認できない「FL」は、とても美しく透き通った姿です。
Cut : カット
4つ目は「カット」です。ダイヤモンドの輝きや煌めきを決定している評価基準で(加工時の)対称性、プロポーション、研磨によって変化し、4Cの中で唯一、人の手が必要になる要素となっています。
ラウンドブリリアントカット(ラウンドダイヤモンドで58面体)にのみカットグレードが存在し、Excellent、Very Good、Good、Fair、Poorの5段階あります。
GIA基準ではカットグレードに付随し、Polish(研磨)とSymmetry(対称性)の状態も判定され、3つの要素が最高位のダイヤは3EX(トリプルエクセレント)と呼ばれます。
またExcellentの中でプロポーションの数値がある条件を満たすと、H&C(ハート&キューピッド)が観察されるダイヤがあります。専用スコープを使用すると、上側から8つの矢が、下側から8つのハートが観察できます。よってExcellentは、さらに下記の4種類に分けられます。
3EXH&C | トリプルエクセレントハートアンドキューピッド (Cut、Polish、Symmetryがエクセレントで、ハートアンドキューピッドが確認できるもの) |
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3EX | トリプルエクセレント (Cut、Polish、Symmetryがエクセレントのもの) |
EXH&C | エクセレントハートアンドキューピッド (Cutがエクセレントで、ハートアンドキューピッドが確認できるもの) |
EX | エクセレント |
ダイヤモンドの品質を客観的に評価した「宝石鑑定書」
ダイヤモンドには品質を見定め、その結果を記載した「DIAMOND GRADING REPORT(ダイヤモンドグレーディングレポート)というものがあります。これが通称、「宝石鑑定書」と呼ばれるもので、4Cも評価基準として大いに影響し、結果によって等級が付与されます。
ダイヤモンドの鑑定はとても難しく、信頼できる鑑定を依頼できるところは限られています。「中央宝石研究所(CGL)」「米国宝石学会(GIA)」「AGTジェムラボラトリー」といったところが、代表的な鑑定機関です。
鑑定機関が集まって作った「宝石鑑別団体協議会(AGL)」という団体もあるので、鑑定を依頼したい場合や付属の鑑定書の信憑性を確認したい場合は、AGLを調べてみるのもおすすめです。
4C以外で重要な「原石」について
4Cは、ダイヤモンドを客観的に比較・評価するための基準となるものですが、これらの数値だけではダイヤを利用した婚約指輪の神秘的な美しさ、輝きを説明することはできません。
実はこの4C以外に、ダイヤの美しさ・輝きに非常に大きく影響する要素があります。それがダイヤモンド原石の品質(組成=分子構造)です。
同じ4Cのダイヤを比較しても、この原石の品質に差があると、輝きに大きな差がでます。つまり原石の品質が悪ければ、カット数値をいくら良くして研磨しても、期待した輝きは得られません。
圧倒的な輝きを持つ「ロシア産ダイヤモンド」
ではどういうダイヤが、より美しく輝くのか?それは分子構造が規則正しく配列された、無色透明なロシア産ダイヤモンドです。「ソーヤブル」と呼ばれる原石は、正八面体の美しい姿をしています。
ダイヤモンドの原石は、地下150km〜200kmの高温・高圧の環境下で生成され、マグマの活動とともに上昇しながら成長したものです。上昇速度が遅い場合、地表近くの低温域に達する前に溶けてしまいます。
一方ロシア産ダイヤモンドは、永久凍土の地下深くからゆっくりと溶けずに上昇してくるため、規則正しい分子構造の原石として誕生します。
そこに熟練の職人による美しいカットが施され、比較にならないほどの輝きと煌めきを持ったダイヤモンドとなるのです。
分からないことはぜひ相談ください
今回はダイヤモンドの「4C」について解説しました。
4Cはダイヤモンドの価値や品質を決める重要な要素です。国際的にも認められており、権威性もありますが、そのぶん判断が難しく、間違った認識や勘違いされてしまっているケースもしばしば見かけます。
ダイヤモンドを買いたいときや売却したいとき、もし不安なら専門家に相談してみてください。DD Japanでも無料相談やオンライン査定などを実施しています。ぜひ気軽にお問い合わせくださいね。